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X ーthe another storyー

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第三十二話 死神その十二

「その時はね」
「大変なことになっていたよ」
「彼がとんでもないことを続けて」
「沢山の血が流れていたよ」
「そうだよね」
「うん、間違いなくね」
「けれど」
 それがというのだ。
「封真君は封真君のままだし」
「それでだね」
「そのことが凄く大きく動くから」
「しかも彼女も生きているから」
「もう今の時点でね」
「かなり変わってきていて」
「いい結末にもね」
 それにもというのだ。
「ちゃんとね」
「向かえる様になってるよ」
 牙暁は笑顔で話した。
「北斗さんの言う通りにね」
「そうだよね」
「では僕も」
「夢見を続けて」
「地の龍の皆に話していくよ」
「大事にならない様に」
「そうしていくよ」
「そうしてね、私地の龍の人達も嫌いじゃないよ」 
 北斗は微笑んでこうも言った。
「昴流ちゃんもだけれどね」
「天の龍の人達もだね」
「皆好きでね」
「僕達もね」
「好きだよ、悪い人達いないからね」 
 それ故にというのだ。
「好きよ、意地悪でも捻くれてもいないでしょ」
「皆ね」 
 牙暁のその通りだと答えた。
「そうだよ」
「だからね」
 それでというのだ。
「私皆好きなの」
「天の龍も地の龍も」
「それでよ」
「皆死んで欲しくないんだね」
「出来るだけね、それでそうなる方法もね」
 これもというのだ。
「考えてるよ」
「それを教えてくれるかな」
 北斗の話をここまで聞いて彼女に言った。
「そうしてくれるかな」
「いいよ、というかね」
「北斗さんの方からだね」
「話したいから」
 ここでもにこりと笑って言うのだった。
「だからね」
「それでだね」
「その都度お話させてね」
「それじゃあね。少しでもいい結末にね」
「辿り着こうね」
「是非ね。思えばね」
 牙暁は明るい笑顔になった、そうして北斗を見てだった。そのうえで彼女に対して声も笑わせて言うのだった。
「北斗さんと会えてね」
「よかったかな」
「君を救えなかったけれど」
 このことは悔恨と共に述べた。
「それでもね」
「会ってよかったのね」
「今はそう思えるよ」
「希望を持てたからよね」
「そうだよ、君を救えなくて絶望したけれど」
 それでもというのだ。
「君とお話をしていって」
「そしてよね」
「実際に運命が変わっていっていくを見て」
 そうしてというのだ。
「考えを変えることが出来たからね」
「それでよね」
「うん、今はそう思えるよ」
「そうなのね」
「それじゃあ」
「一緒にね」
「少しでもよりよい結末を目指して」
 その為にというのだ。
「考えを聞かせて欲しい」
「そうさせてもらうわね」
「一緒にね」
「うん。あと面白いことに皆甘いもの好きだね」
 小鳥はここでこんなことも言った。 
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