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夢幻水滸伝

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第三百十一話 陽動と侵攻その二

「今の状況は」
「そういうことですね」
「もう正直言って」
 ルイスは暗い顔になってさらに話した。
「この状況やと降伏した方が」
「ええですか」
「そうも思いますが」
「そうですね」
 ギンズバーグが応えた。
「今の僕達の状況では」
「そうなりますね」
「はい」
 まさにと言うのだった。
「ほんまに、では」
「ここは多数決を取りますか」 
 ルイスは少し考えてから二人に言った。
「降伏か戦うか」
「どちらにするか」
「今からですか」
「降伏にしても戦うにしても挙手で」
 そうしてというのだ。
「意思表示をするということで」
「今からですね」
「多数決を取ります、まずは降伏ですが」
 ここでだ、ルイスは。
 右手を挙げた、ルイーザとギンズバーグは挙げなかった。ルイスはそれを見てから二人にあらためて言った。
「では戦は」
「はい」
 ルイーザもギンズバーグもだった。
 右手を挙げた、そうしてルイスに言うのだった。
「是非です」
「戦いましょう」
「せめて最後の意地を見せましょう」
「そうしましょう」
「このまま負けては癪です」
「ですから」
「そうですか、ではです」
 ここまで聞いてだ、ルイスは述べた。
「その様にしましょう」
「戦いますね」
「メルヴィルさん達と」
「はい、そう決めればもうです」
 それこそというのだった。
「残る二十万の軍でどう戦うかですが」
「相手は百万ですが」
「どうすするかですね」
「そうです、戦えるだけです」
 まさにというのだ。
「戦うか、明らかに劣勢ですが」
「そこで、ですね」
「どないするか」
「一旦シカゴまで退いて」 
 そうしてというのだ。
「そしてです」
「そのうえで、ですか」
「軍を整えて」
「敵軍に決戦を挑む」
「そうしますか」
「そうしましょう、ではです」
 二人に強い声で言った。
「今すぐにです」
「今率いている軍をですか」
「シカゴまで退けますか」
「そうしてですね」
「決戦の準備に入りますね」
「そうしましょう」
 こう言ってだった。
 ルイスはデトロイトだけでなくミシカン州全体そしてインジアナ州からも兵を退かせイリノイ州にある自分達の拠点に戦力を集結させることにした。
 デトロイトからシカゴには直通の鉄道が分単位で出発し将兵も物資も移動させられ戦車や装甲車もだった。
 撤退していった、ホーソーンはこの時戦艦の艦橋にいたが。
 街の動きを聞いてだ、すぐに察した。 
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