夢幻水滸伝
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第三百十一話 陽動と侵攻その一
第三百十一話 陽動と侵攻
戦局を確認してだ、ルイスはデトロイト市庁舎の会議室で術を使って来てもらったルイーザとギンズバーグに話した。
「戦局は絶望的です」
「そう言ってええですね」
「今の状況は」
「はい」
そうだというのだ。
「まことに」
「やはりそうですね」
ギンズバーグは暗い顔で答えた。
「ほんまに」
「ああ、あまりにもな」
「今の状況はですね」
「ケンタッキー州とオハイオ州を完全に失い」
そうなってというのだ。
「インジアナ州もです」
「インディアナポリスを陥落させられて」
ルイーザも言ってきた。
「そしてです」
「南部を侵食されていてそれを止められへんです」
「そして軍も」
「全体の三分の一近くが捕虜になってです」
「失われています」
「しかもです」
ルイスはさらに話した。
「このデトロイトも攻められ」
「そしてですね」
「そのうえで、です」
さらにというのだ。
「兵器もです」
「多くを失っていて」
「劣勢は明らかです」
「ほんまにそうですね」
「若しです」
ルイスは暗い顔で話した。
「ここで、です」
「もう一度敗れると」
ギンズバーグが言って来た。
「戦えへんですね」
「そうなります」
「もうそこで、ですね」
「勝敗が決します」
二つの勢力の戦のそれがというのだ。
「そうなります」
「そうですね」
「そうですさかい」
だからだというのだ。
「ここはです」
「どないするか」
「決戦を挑むか」
若しくはというのだった。
「それか今守ってるデトロイト等が陥落しますと」
「諦めてですか」
「降伏を」
「降伏ですか」
「もうです」
「二つに一つ、そして決戦を挑んでも」
ルイスはその場合も話した。
「勝っても劣勢は覆せずです」
「苦しい戦が続く」
「そうなりますね」
「そうです、そしてです」
そのうえでというのだ。
「劣勢を挽回することは非常に難しいです」
「現実でそうですね」
ルイーザは腕を組み難しい顔で述べた。
「今のあたし達の置かれた状況は」
「そうですね」
「はい、元々劣勢で」
「そこでここまで負け続けたので」
「それではですね」
「もうです」
それこそというのだ。
「一度勝ってもです」
「劣勢は覆せず」
「何度もです」
「勝たねばならへんですね」
「そうです」
まさにとだ、ルイスはルイーザに答えた。
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