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博士の挑戦状

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第六十九話

              第六十九話  観客が来ていた
 ライゾウとタロはここでふと周りを見た、すると何時の間にか人が集まって博士達の戦いを見ていた。
「先生達よお頑張ったな」
「お疲れさんやで」
「次はカーミラさんやな」
「カーミラさんも頑張るんやで」
 皆暖かい服装でそこにいる、二匹はその人達を見て言った。
「今ここでやるって言ってないのにな」
「自然と人が集まってるね」
「そうだよな」
「何でかこうなるんだよね」
「博士って有名人だからね」
 小田切君は二匹にたこ焼きを食べつつ話した。
「だからもう何かしたら」
「注目されてか」
「人が集まって来るんだね」
「人類史上最悪のマッドサイエンティストだよ」
 だからだというのだ。
「もうちょっと目を離すとね」
「何するかわからないしね」
「その時はな」
 タロもライゾウもそれはと応えた。
「実際これまでとんでもないことばかりしてるしな」
「それも一日に何度もってざらだし」
「ちょっと目を離すとな」
「大変なことになりかねないしね」
「だからね」
 博士がそうした人物だからだというのだ。
「皆注意して見てるし野次馬根性もね」
「あるんだね」
「そっちもか」
「そうだよ、それでね」 
 小田切君はさらに話した。
「人が集まってるんだ、けれどただ見物してるだけだし」
「それじゃあね」
「おいら達は気にすることはないな」
「ないよ、このまま見ていこう」
 自分達もというのだ。
「そうしていこう」
「そうだね、じゃあね」
「おいら達はおいら達で見ていくか」
「お酒飲む?」
 小田切君は二匹にこうも話した。
「熱燗でね」
「いいね、じゃあそっちも楽しんで」
「それで見ていくか」
「次の勝負もね」
「そうするか」
「うん、寒い時はこれだよね」
 その熱燗を出して言った。
「あったまるよ」
「全くだよ」
「本当に寒い時はそれだぜ」
 二匹もそれはと頷いた、そうしてだった。
 見物に来た人達と一緒に勝負を見ていくことにした、見れば見物の人達もそれぞれ暖かくして博士達を見ていた。


第六十九話   完


                  2023・6・14 
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