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博士の挑戦状

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第六十七話

                 第六十七話  カーミラ立つ
 カーミラは安楽椅子に座っていた、だが。
 博士の車椅子が整備と補給を受ける中で自分の周りにいる使い魔達に対して悠然とした笑みで言った。
「さて、それではね」
「そろそろですね」
「ご主人様の番ですね」
「その時が来ましたね」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「準備をはじめるわ」
「わかりました、ではです」
「後片付けはお任せ下さい」
「そして勝負が終わった後もです」
「準備をしておきますので」
「宜しくね」
 使い魔達の言葉に応えてだった。
 カーミラは立った、そのうえで博士に言った。
「では貴方の準備が整ったら」
「うむ、勝負をしようぞ」
「貴方自身は大丈夫ね」
「何も心配はいらん」
 博士は余裕に満ちた笑顔で答えた。
「わしは無傷じゃ」
「だからなのね」
「うむ、車椅子が整ったらな」
 整備と補給がというのだ。
「そのうえでな」
「勝負ね」
「そうしようぞ、ただ今も勝負出来るが」
「先生達も車椅子で勝負したでしょ」
 今すぐでもいいと言う博士に悠然とした笑みで応えた。
「だからね」
「車椅子に乗ったわしと勝負したいか」
「ええ、いいかしら」
「そこまで言うならな」
 博士もそれならと頷いた。
「勝負しようぞ」
「それではね」
「ではわしも待つし」
「私もね」
「お互い今は休憩じゃな」
「そうね、ただ私はもう立っておくわ」
 そうするというのだ。
「間もなくだしね」
「それは事実じゃな」
「だからね」
「ではわしも立ってな」
「待つのね」
「そうしようぞ」
 こう言ってカーミラも博士も立って待つことにした、そして車椅子の整備と補給は静かに進んでいた。


第六十七話   完


                    2023・6・1 
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