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ヘタリア学園

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第千二百十七話  女帝の決断 ☆

第千二百十七話  女帝の決断 ☆
 戦争が終わってみるとシュレージェンを奪い取られたままでした。ロシアが参戦しようとしてきたりして大騒ぎになりましたがとりあえずそうした状況で終わったのです。
 物凄い数の相手でしたからそれで済んでよかったと思うべきかも知れませんが女帝はそれでも不満でした。その整った顔に深い憂いをたたえて言うのです。
「結局シュレージェンは取られてしまいましたね」
「はい、プロイセンは私からシュレージェンを強奪したままです」
「それをどうするかですが」
「陛下、オーストリアさん」
 ここでハンガリーが出て来て言います。
「あいつのことですからまたやって来ますよ」
「どうしたんですかいきなり」
「だってあいつは凄い昔からオーストリアさんを狙ってたんですよ」
 ハンガリーは既にそのことを察していたのです。勘もかなり鋭いです。
「あいつがシュレージェンだけで満足してるわけありません」
「その通りですね。私も油断していました」
 女帝が彼女の言葉に頷きます。ここでハンガリーは暴走します。
「きっと変態なあいつのことですから奪った後であんなことやこんなことをその他もろもろするつもりですよ。もう本当にあいつだけは」
「落ち着きなさい」
 オーストリアさんがその彼女を宥めている間に女帝はある決断を下しました。この人も負けてはいません。
「オーストリア」
「はい、何でしょうか」
「貴方に協力して頂きたいことがあります」
 あらためて言うのでした。
「貴方には少し抵抗があるかも知れませんが」
 窓を背にして言います。その姿は何か後光がさしているようでした。女帝は今大変な決断をしたのです。


第千二百十七話   完


                                      2010・2・6
 
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