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夢幻水滸伝

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第三百九話 頭を潰せその十二

 セリューの傍らにいるケルベロスもこれはという顔になって言った。
「私が行ってもです」
「数万の相手が限度っすね」
「はい、そしてセリュー様が行かれても」
「十万位っすね」
 一人で相手に出来るのはとだ、セリューはケルベロスに答えた。
「精々」
「そうですね」
「道路や線路を攻めようとしてもっす」
「難しいですね」
「アンデット達に防がれるっす」
「間違いなく」
「だからっす」
 その為にというのだ。
「今回はっす」
「メルヴィル様の言われる通りに」
「執拗にはいかないっす」
「肝心の敵軍は既に安全圏にまで撤退しています」
 追撃によりダメージを与えるべき彼等はというのだ。
「ですから」
「この度はっすよ」
「この調子で攻めて」
「敵を退かせるっす」
 こうケルベロスに話した。
「そうするっす」
「左様ですね」
「攻めないと攻められるっす」
 こちらが逆にというのだ。
「そしてこっちが損害を出すっす」
「はい、ルイーザ様も愚かではありません」
 そのアンデットの大群を使役している彼女もというのだ。
「ですからこちらが積極的に攻めませんと」
「損害を与えようとしてくるっす」
「そうなりますね」
「だからっす」
 その為にというのだ。
「ここは本気で攻めるっす」
「追撃は無理でも」
「そうするっす、ではやるっすよ」
 セリューは自ら前に出てだった。
 指揮を執りつつ自らも戦闘に加わった、そうして多くのアンデット達を倒していった、だがルイーザはギンズバーグが率いる軍の主力が安全圏に入ったと聞くと。
 アンデット達を消して一人になりセリューに言った。
「今はこれで終わりにするさかい」
「そうっすか」
「また会おうな」
「わかったっす、しかしっす」
 セリューはそのルイーザと正対して言葉を返した、距離はやや開いていて傍らにはケルベロスが控えている。
「ルイーザさんもやがてはっす」
「一緒にやっていくというのね」
「そうなるっすね」
「あたし達が勝って」 
 そうしてとだ、ルイーザは言葉を返した。
「そうなるわ」
「そうっすか」
「今は苦しくても」
 劣勢であることは正直に認めた、だがそれでもというのだった。
「最後に勝つのはあたし達や」
「その言葉そのまま返すっすよ」
 セリューはセリューで強い声で返した。
「勝つのは私達っす、そうしてっす」
「勝ってからあたし達を迎え入れて」
「一緒になるっすよ」
「そう言うんやね、ほなどっちが勝つか」
「これからも戦ってっす」
「はっきりさせような」
「そうするっす」
 ルイーザを明るい笑顔で見つつ応えた。
「全力で」
「お互いに。ほなあたしはこれで」
「撤退するっすね」
「そうするわ、また会おうな」
「また今度っす」
 お互いに別れの挨拶も言い合ってだった。 
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