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X ーthe another storyー

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第三十話 勇気その一

                第三十話  勇気
 神威は小鳥と共に学園で共にいつつ彼女に言った。
「こうしてだ」
「うん、自然にね」
「二人で過ごしているだけでな」
 微笑んで言うのだった。
「それだけでな」
「幸せよね」
「小鳥が生きていてだ」
 そしてというのだ。
「一緒にいられるだけでな」
「神威ちゃんは幸せなのね」
「そうだ」
 微笑んだまま答えた。
「俺はな。そしてずっとこうしていられる様にする為にもな」
「天の龍として戦うのね」
「そうする、人間の世界がそのままなら」 
 それならというのだ。
「小鳥も生きられるな」
「私もう心臓はよくなったけれど」
 小鳥は自分のこのことも話した。
「子供の頃はね」
「心臓が弱かったな」
「そうだったけれど」 
 それでもというのだ。
「もうね」
「その心臓もだな」
「よくなったから」
「普通に暮らせるな」
「うん、それで昨日お家お掃除したから」
 小鳥は微笑んで話した。
「暫く空けていて埃も積もっていたし」
「それなら俺も呼んでくれたらな」
 神威は小鳥のその話を聞いてこう言った。
「手伝ったんだが」
「いいわ、お掃除は私のお仕事だから」
 小鳥は微笑んだまま返した。
「だからね」
「手伝わなくていいか」
「うん、ただお兄ちゃんのお部屋はね」
 封真、彼のそこはというと。
「入らなかったわ」
「あいつが帰って来た時にか」
「何時でもそのままでいられる様にって思って」
 そう配慮してというのだ。
「そうしたの」
「そうか、それはいいことだな」
「いいことよね」
「あいつは必ず帰って来る」 
 神威は確信を以て言い切った。
「俺が戻すからな」
「だからよね」
「ああ、絶対にな」
「戻って来るわね、お兄ちゃん」
「そうだ、そしてな」
 そのうえでというのだった。
「またあいつの部屋でな」
「暮らすわね」
「あの家のな」
「そうね、あとお父さんだけれど」
 小鳥は今度は彼のことを話した。
「どんどんよくなってるそうよ」
「そうか、回復していっているか」
「あと少しで起き上がれる様になって」
「そうしてか」
「歩ける様になってね」
 そうしてというのだ。
「それでね」
「退院してだな」
「リハビリも必要だけれど」
 それでもというのだ。
「退院もね」
「出来るな」
「もう少しで起き上がれる様になってね」 
「そうか、いい方向に流れているな」
「そうね、私も死ぬ筈がね」
「生きているな、そういえばだ」
 神威は小鳥が今生きていて自分の傍にいることからあることを思い出してそのうえで彼女に尋ねた。 
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