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X ーthe another storyー

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第二十九話 家族その七

 無意識のうちに遊人を見た、そうしてから言ったが庚はその彼女を目だけで見て今はそのまま無言でいた。
「何時か」
「紹介する様になってくれ」
「またね」
「そうするわ」
「ええ、ではね」
 庚はここで口を開いて言った。
「貴女はこれからはね」
「絆を築いていく」
「そうしていってね」
 こう言うのだった。
「いいわね」
「わかったわ」
「そして私達はずっとね」
「私と一緒なのね」
「友達だから」
 それ故にというのだ。
「何があってもね」
「それじゃあ私も」
「ええ、一緒にね」
「生きていくわ」
 こう話した、パーティーはそれからも楽しく続き終わった後で颯姫は両親にこれ以上はないまでに明るい顔で言われた。
「いやあ、今日はよかった」
「颯姫にお友達が出来てね」
「皆うちに来てくれるなんてな」
「嬉しいわ」
「そうなの。そう言われたら」
 颯希は無表情のまま両親に応えた。
「私もよ」
「嬉しいか」
「そうなのね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「だからこれからもね」
「あの人達とか」
「お友達でいるのね」
「それでお父さんとお母さんとも」
 二人とも、というのだ。
「一緒にね」
「いてくれるか」
「お母さん達の家族として」
「そうするわ」
 こう言うのだった。
「是非ね」
「何かな」
 父は後悔する様な顔で言って来た。
「お父さん達も今まで颯姫に他人行儀だったな」
「そうだったわね」
 母も言った。
「言われてみたら」
「そうだったな」
「他人行儀でね」
「頭がいい立派な娘としか思っていなくてな」
「手がかからないって喜んで」
「いい娘としか思わなかったな」
「けれどね」
 それでもというのだった。
「それは間違いだったわね」
「そうだな、何処かロボットを見るみたいな」
「そんな風だったわね」
「けれどそれはな」
「止めましょう」
「ちゃんとしていこう」
 こう話すのだった、そしてだった。
 颯姫に彼女の友人達のことも話した、皆いい人達だと。
 庚にその話をすると彼女も喜んで言った。
「いいことよ、それでご両親はね」
「大事にすることですね」
「そしてね」
 それでというのだ。 
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