夢幻水滸伝
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第三百八話 ケンタッキー州占領その九
「今回はケルベロスに活躍してもらうか」
「私ですか」
セリューの横にいる三つ首の黒犬が応えた。
「では普通の毒ではなく」
「そや、麻痺性の毒を使ってな」
「そうしてですね」
「敵を動けん様にしてもらうで」
「わかりました」
ケルベロスもそれではと答えた。
「そうさせて頂きます」
「頼むで」
「それでは」
「そしてな」
メルヴィルはさらに話した。
「睡眠や麻痺や石化の術も使ってそうした力を持つモンスターもや」
「使いますか」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「動けん様にする」
「それはええですが」
ここでジェーンがまた言ってきた。
「ルイーザちゃんもギンズバーグ君もです」
「防いでくるな」
「そうしてきません?」
「してくる、しかしな」
「しかし?」
「こっちが仕掛けてきてからや」
二人が備えてくるのはというのだ。
「そやからな」
「敵が備える前にですね」
「出来るだけ多くや」
「動けん様にしていきますか」
「二人共こっちがまずオーソドックスに攻めると思ってる」
「数と装備を使って」
「そや、近代戦の兵器を使ったそれに備えてる」
ルイーザもギンズバーグもというのだ。
「そうしてるさかいな」
「そこをですね」
「意表を衝いてな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「一気にですね」
「眠らせたりするで、それでな」
メルヴィルは話を続けた。
「砲弾にも細工するで」
「兵器のそれにもですか」
「催眠や麻痺や石化の力を込めてな」
そうしてというのだ。
「燃やしたり雷で攻めるんやなくてな」
「これまではそうしてきましたが」
「今回はな」
「動きを止めるものですか」
「これまでも砲撃とかで使って来たけどな」
砲弾それに銃弾に睡眠や麻痺、石化の効果を込めたうえで放っていたのだ、こうしたことが出来るのはこの世界ならではのことだ。
「そやけどな」
「今回はですね」
「もうな」
「そうした攻撃で、ですね」
「ほぼ統一してな」
そのうえでというのだ。
「攻撃するで、術もな」
「そうしたものを集中して用いますか」
「特にわし等がや」
星の者達がというのだ。
「そうした術をな」
「使っていきますね」
「そうしてな」
「敵の将兵達を動けなくして」
「捕虜にする、普段は攻撃系の術を多く使うが」
その様にして戦うがというのだ。
「今回はな」
「そうしますね」
「そや、ええな」
「わかりました」
ジェーンも頷いた、そうしてメルヴィルはレキシントン等ケンタッキー州全域の掌握を進めると共に軍をオハイオ州南部に向けた。
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