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X ーthe another storyー

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第二十七話 集結その一

                第二十七話  集結
 神威は小鳥と共にベランダに出た、そうすると小鳥は神威に微笑んで話した。
「私あの時にね」
「俺か封真にだな」
「殺される運命だったの」
「そうだったんだな」
「その筈だったけれど」
「封真はお前を殺さなかった」
「何かね」
 小鳥は神威に考える顔になって言った。
「私が見た夢の中の神威ちゃんはね」
「地の龍になった俺はか」
「神威ちゃんだけれど」
 彼であることは確かだがというのだ。
「それでいてね」
「俺じゃないか」
「そんな感じだったのよ」
「そういえばそうだな」 
 神威も夢で見たことを思い出して述べた。
「俺も見たが」
「地の龍の神威ちゃんはね」
「俺であってもな」
「神威ちゃんでない様な」
「そうしただ」
 神威自身も言うのだった。
「不思議なものだった」
「そうよね」
「何か俺の魂が変わった」
「神威ちゃんでない誰かに」
「そんな風だったな」
「うん、それでお兄ちゃんもね」 
 封真、彼もというのだ。
「地の龍になったらね」
「ああなる筈だったな」
「けれどお兄ちゃんはお兄ちゃんのままだったわ」
「全く変わらないな」
「お兄ちゃんだったわ」
「地の龍といってもな」
 神威は彼等のことも話した。
「別に化けものじゃない」
「人間よね」
「紛れもなくな、封真は封真のままでな」
「人間のままだったわね」
「そうだった、そしてだ」
「お兄ちゃんのままね」
 まさに人間のままというのだ。
「それで行っちゃったね」
「地の龍の方にな」
「お兄ちゃんがお兄ちゃんのままだったから」
 小鳥はやや俯いて言った。
「だからね」
「お前は殺されなかった」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「今神威ちゃんと一緒にいるわ」
「ああ、しかしあの時だ」
 神威はその目を鋭くさせて言った。
「何かあったのかもな」
「何か?」
「封真にな、しかしな」
 それでもというのだ。
「あいつは変わらなかった」
「それで今もお兄ちゃんのままで」
「そしてだ」
「地の龍の人達のところに行ったのね」
「そうなった、そしてだ」
 それでというのだ。
「あいつは俺に言った」
「私を頼むって」
「そして小鳥も俺も」
「護るってね」
「地の龍となったがな」 
 それでもというのだ。
「そうなった」
「そうよね」
「俺とあいつは戦うことになるが」
「殺さないのね」
「するものか」 
 絶対に、そうした返事だった。 
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