夢幻水滸伝
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第三百一話 優しきギャングその十
「海に飛び込んだ海賊達をです」
「はい、捕えますね」
「救助すると共に」
「そうしますね」
「海賊は海では船から出ると無力です」
そうした存在になってしまうというのだ。
「種族によりますが」
「例え魚人や人魚でもです」
「やはり個々での戦闘力は限られます」
「そうなってしまいます」
「左様ですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「海賊との戦はです」
「この様にですね」
「まずは船を撃つ」
「そうすべきですね」
「そうです、そしてです」
そのうえでというのだ。
「海に飛び出た海賊達を捕えるのです」
「もう無力なので」
「それで、ですね」
「戦は終わりですね」
「これで」
「左様です、しかしこの神具の威力は凄いですね」
フォークナーは自身が持つサラマンダーの話もした。
「船を一撃で炎上させるとは」
「全くですね」
「まさに神具です」
「それだけで戦を終わらせる様な」
「恐ろしい威力です」
「はい、このサラマンダーに」
見ればだった。
もう一隻の海賊船が来た、そちらにはだった。
フォークナーは自身が持つもう一つの神具であるグレイプニルを放った、すると金属の銀色の縄がロープそれもかなり長いものとなってだった。
船に飛んでいきそして大蛇の様に巻き付きがんじがらめにした、大砲も海賊達もそうして完全にがんじがらめにした。
そうしてだ、フォークナーはあらためて言った。
「グレイプニルもありますので」
「恐ろしいですね」
「そう言っていいまでの力ですね」
「これが神具なのですね」
「星の方が持たれている」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「私としても使い方を間違えない様にしませんと」
「駄目ですね」
「若し使い方を間違えると」
「その時はですね」
「大変なことになります」
フォークナーは自分から言った。
「まさに」
「左様ですね」
「そうなりますね」
「そのことはですね」
「フォークナー様も自覚されますね」
「そうします、では先の三隻の海賊達を救助し捕え」
そしてというのだった。
「今捕えた一隻の海賊達もです」
「そうしますね」
「そしてマイアミに連れて帰り」
「裁判にかけて」
「罪が軽いなら助け軍に入れたり仕事に就いてもらう」
「重罪人は処刑ですね」
「そうします、しかし海賊が急に減ってきましたね」
フォークナーは旗揚げの頃を振り返ってこうも言った。
「そうなりましたね」
「左様ですね」
「それは確かですね」
「キューバの方で統治が進み」
「海賊達がそこに入っているので」
「キューバはインファンテ君ですね」
フォークナーは彼のことをここで思い出した。
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