夢幻水滸伝
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第三百一話 優しきギャングその八
「努力すればです」
「その能力が上がって」
「対処出来ますが」
「その時点ではですか」
「あれです、実は起きた世界で大谷翔平という凄い人がいますが」
「大谷翔平、日本人ですか」
「これがまたベーブ=ルース以上の超人でして」
この世界では神霊の一柱となっている野球の神と言われた人物だ。
「一シーズンで十五勝と三十四ホーマーを同時に達成しました」
「信じられないですね」
その成績に市長も唖然となった。
「野球選手ですよね」
「はい、投球回も打席も規定数に到達して」
「そうしてですか」
「これだけの成績を残しまして」
フォークナーはさらに話した。
「一六〇キロ以上を投げて五十センチ以上曲がるスライダーや一四七キロのフォークを投げます」
「怪物ですね」
「はい、最初からここまでは」
「絶対に無理ですね」
「しかし努力すれば」
大谷翔平の様にというのだ。
「少なくともです」
「かなりよくなりますね」
「流石にここまではそうはなれないですが」
それでもというのだ。
「目指して努力すればです」
「近付けますね」
「そして若しかしたら」
「大谷翔平の域にですね」
「なれるかも知れません」
「そうなのですね」
「今至らへんと思いましても」
それでもというのだ。
「努力することが大事やとです」
「フォークナーはお考えですか」
「実は私お料理が趣味ですが」
「それは言われてますね」
「特にシーフードを使ったものが」
フロリダの海で獲れたそれを用いてだ、故郷の起きた世界のマイアミでは実際にそうして家族や婚約者に振舞っている。そして寮で暮らしている日本でも時折日本の海産物を使って友人達に食べてもらっていてしかも好評である。
「得意でして」
「ああ、そのお料理も」
「最初はです」
「よくなかったのですか」
「そうでした」
赤い炭酸飲料を飲みつつ答えた。
「実は」
「それが努力して」
「勉強して調理して」
「そうしているうちにですか」
「よおなりまして」
それでというのだ。
「今はです」
「そうなんですね」
「そやからです」
「私もですか」
「あの時にどうかと思われてもです」
「あの時も出来ていて」
「これからも努力されますと」
そうすればというのだ。
「今以上にです」
「よくなってですね」
「ことにあたれます」
「そうですか」
「それが私の考えです」
「そうなのですね」
「はい、かく言う私も」
フォークナーは自分のことも話した。
「まだまだとです」
「お考えですか」
「今の実力ではこのフロリダ州の統一を果たして」
そしてというのだ。
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