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X ーthe another storyー

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第二十二話 姉妹その一

                第二十二話  姉妹
 庚は朝起きてだった。
 白い天幕のベッドから出ると控えていたメイド達に尋ねられた。
「今朝はどうされますか」
「ええ、トレーニングルームでね」
 庚はそのメイド達に答えた。
「身体を動かすわ」
「そうされますか」
「今日はランニングでも水泳でもなくてね」
「そちらで、ですね」
「汗を流して」
 そしてというのだ。
「シャワーを浴びてね」
「朝食にされますね」
「そしてね」
 その朝食の後でというのだ。
「出勤するわ」
「わかりました」
「それで朝食だけれど」
 庚はメイド達にこのことを食べた。
「今朝は何かしら」
「オートミールです」
 メイドの一人が答えた。
「それとサラダです」
「その二つね」
「お飲みものは紅茶です」 
 冥途の一人はこちらの話もした。
「そうなっています」
「わかったわ、ではね」
「トレーニングの後はですね」
「シャワーを浴びて」
 そのうえでというのだ。
「いただくわ」
「わかりました」
「そしてね」
「ご出勤ですね」
「車はね」
「用意しておきます」
「お願いするわ。それではね」
 寝間着姿からだった。
 庚はトレーニングウェアになって自宅の中にあるトレーニングルームで汗をかいた、それからだった。
 シャワーを浴びて朝食を摂ってだった。
 自分が運転する車で都庁に出勤した、そして都知事にだ。
 今日の予定を報告したが知事は彼女に笑って話した。
「いや、歴代のね」
「都知事の方々はですか」
「君がいてくれてだよ」
 こう言うのだった。
「私も含めて助かっているよ」
「そうですか」
「私設の秘書の諸君にも頑張ってもらっているが」
 それでもというのだ。
「公設の秘書でね」
「都庁のですね」
「君がいてくれて」
 それでというのだ。
「まことにだよ」
「そう言って頂き何よりです」
 庚は微笑んで応えた。
「私も。では」
「今日も宜しく頼む」
「こちらこそ」
 朝登庁した知事とだ、こうした話をしてだった。
 庚は彼の傍にいてこの日も仕事をした、そして。
 仕事が終わってだ、知事にまた言われた。
「では明日もだよ」
「はい、宜しくお願いします」
「こちらこそな、ではな」
「閣下はこれで、ですね」
「帰らせてもらう」
「お車は用意していますので」
「いつも通り手筈がいいね」
 知事はここでも庚のこのことに喜んだ。 
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