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夢幻水滸伝

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第三百一話 優しきギャングその五

「考えられませんでした、ですが今からです」
「考えて頂きますね」
「そうさせもらいます、少し時間をくれますか」
「どうぞ」
 これが市長の返事だった。
「それでは」
「はい、そうさせて頂きます」
「それとです」
 市長はさらに言った。
「今お昼過ぎですがお食事は」
「実はまだでして」
 フォークナーは畏まって答えた。
「それで、です」
「お腹も空いていますか」
「かなり」
「ではこちらの食堂で」
 市庁舎のとだ、市長は提案した。
「如何でしょうか」
「お金はないですが」
「全くないですか」
「多少位は」
 こちらの世界に来た時に財布の中にあった、この世界の貨幣のことも声から聞いていて把握しているのだ。
「一食分位は」
「しかし食費は星の方でしたら」
「それはあきません」
 真面目にだ、フォークナーは市長に答えた。
「お金のことはです」
「しっかりとですか」
「せなあかんので」
 顔も真面目だ、そのうえで言うのだった。
「そうですさかい」
「払われますか」
「そうさせてもらいます」
「そうなのですね」
「それでは今から」
「召し上がられますか」
「はい、それで食べながら考えようと」
 その様にというのだ。
「それでええですか」
「熟考されて下さい」
 これが市長の返事だった。
「そして、です」
「結論を出して」
「お答え下さい」
「ギャング討伐に専念するか政を行うか」
「はい、どちらにされるか」
「わかりました、ほな今から」
 食べて来るとだ、こう言ってだった。
 フォークナーはまずは市庁舎の食堂で食べた、ハンバーグだけでなく白身魚のフライやチキングリル、ベーコン、スパムまでを重ねた多段式のハンバーガーを三つ食べつつ考えた、そして三時まで考えてだ。
 市長室に戻ってだ、こう話した。
「ギャング退治も市政の一つ、また私のステータスを見ますと」
「政の方もですね」
「高いので」
 カラーギャングという職業柄格闘それも市街戦に向いているがだ。
「やったことないですが」
「それでもですか」
「ギャングを倒しても政がよおないと」
「また出てきますね」
「そうも考えたので」
 それでというのだ。
「ここは旗揚げをして」
「政で、ですね」
「街をよおして」
 その様にしてというのだ。
「ギャングが出ない様な街にして出ても」
「それでもですね」
「出た時点ですぐに対処出来る」
「そうした街にされますか」
「それが一番とです」
 その様にというのだ。 
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