夢幻水滸伝
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第二百九十九話 さらなる勢力拡大へその十一
「テネシーの人等にな」
「見せているものっすね」
「これまでのわしのやり方でな」
「強い軍を見せるっすね」
「あえてな」
「戦車に航空機も多くあります」
ここでだ、ジェーンがこのことを話した。ニューヨークの市庁舎の会議室の中で円卓に座って話している中で。
「ほな」
「そうしたもんもな」
「見せていきますね」
「そや、実はな」
「戦車や航空機の質はですね」
「もう一ランク上の」
そうしたというのだ。
「出来れば戦車はシャーマンでな」
「あの戦車ですか」
「それで航空機やコルセアやムスタングみたいな」
「そこまでのもんをですか」
「欲しいな、レーダーもな」
この兵器もというのだ。
「実用化はまだやけどな」
「配備したいですか」
「出来たらな」
「お待ち下さい」
技術開発を担当しているボームが言ってきた。
「そちらもです」
「今開発中やな」
「より性能の高い戦車や航空機も」
こうしたものもというのだ。
「艦艇もそうですし」
「そっちは頼むで」
「はい、その様に」
「今のとこの情報収集の限りやとな」
メルヴィルはテネシー州の諸勢力にも情報収集を行っていた、そのうえで得た情報をまとめたファイルを見つつ話した。
「テネシーの街や村にはわし等から見て旧式の戦車や航空機しかない」
「砲塔のない戦車とか複葉機ばかりですね」
情報収集を統括しているエミリーが応えた。
「おおよそ」
「そやな」
「はい、それに数もです」
「少ないな」
「どの勢力も。剣や槍、防具も」
「わし等の軍より質が落ちる」
「大抵が革のもんです」
革の鎧や盾を使用しているというのだ。
「銃も旧式で剣も銅のもんで」
「こっちの鉄と比べるとな」
「かなり落ちます」
「その相手にや」
「そうした装備の大軍を見せる」
「そうしてな」
そしてというのだ。
「無言の圧力を見せて」
「そしてどうしても降らんと」
「その軍で攻めてな」
「降しますね」
「危惧していた五大湖の連中のテネシー進出は見られんが」
「やはり勢力圏内の統治で手が一杯の様です」
ジェーンが言ってきた。
「今は」
「それでやな」
「どうも」
「そうか、ほな好都合や」
自分達にとってとだ、メルヴィルはジェーンの話に腕を組んで述べた。
「わし等にとってな」
「ここで、ですね」
「テネシーを一気にな」
「掌握しますね」
「そして五大湖の連中の南部への勢力拡大を阻止してな」
そしてというのだ。
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