夢幻水滸伝
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第二百九十七話 バイキングの戦いその七
「息子さんはです」
「親父さん以上によくなって」
「嬉しい限りです、親父さんは何でも腰を悪くして」
「それで、ですか」
「病院や術でもです」
「治らなくなって」
「それで引退されて」
そうしてとだ、市長はホーソーンに応えて話した。
「今は落ち着いて」
「隠居生活ですか」
「それに入っているみたいです」
「そうですか」
「いや、こうしたお店はです」
見れば大衆食堂である、メニューも庶民的な料理ばかりであり酒もある。
「いいですね」
「こうしたお店こそ美味い」
綱元も言ってきた、それも確かな口調で。
「そうですね」
「確かに」
ホーソーンは綱元の言葉にも頷いた。
「後宮レストランとか」
「そうしたお店もいいでしょうが」
「気軽に飲んで食べるなら」
そうしたいならというのだ。
「ほんまにです」
「これがですね」
「一番です」
何と言ってもという言葉だった。
「わいにしても」
「ホーソーン様は起きられた世界でも」
「普通のです」
ホーソーンもビールを飲みつつ応えた、飲めばそれが実に美味い。
「家庭で親もです」
「ごく普通の」
「親父もお袋も」
その両方がというのだ。
「別にです」
「お仕事ですか」
「そうです、ほんまにです」
今度はソテーを口にして話した。
「ごく普通のアメリカの」
「家庭ですか」
「弟も妹もいて」
そしてというのだ。
「海辺で暮らしてる」
「そうした家で」
「時々トラブルはあっても」
こうしたことはどの家庭でもある、全てが順風満帆とはいかないのも世の中というものであるからだ。
「しかしです」
「平和と言っていい」
「そうした家庭で」
「それで日本にですね」
「親が八条グループと縁があって」
それでというのだ。
「わいも留学することになって」
「日本にですか」
「子供の頃からおって」
「暮らしておられますか」
「そうしています」
こう話した。
「起きた世界では」
「そうですか」
「それで食べるものも」
これもというのだ。
「起きた世界でもです」
「ごく普通の」
「ほんま庶民的な」
「お食事でしたか」
「外で食べても」
「そうでしたか」
「そやからこっちの世界でも」
ポークチャップを口にして話した。
「これといってです」
「贅沢なものはですか」
「食べたいと思いません」
「食べられてもですね」
「今は立場とお金もありますが」
その両方がというのだ。
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