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夢幻水滸伝

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第二百九十六話 アメリカのバイキングその六

「わいはトライデントがありますさかい」
「海の神の三又の鉾ですね」
「あれは武器としても強力で」
 かつ、とだ。ホーソーンは干し肉を食べつつ話した。
「それに津波や渦潮も起こせて」
「極めて強力ですね」
「その神具にです」
「もう一つの神具もですね」
「鎧、リバイアサンの皮は」
 これはというのだ。
「あらゆる攻撃を防いでくれます」
「特に水属性に強いですね」
「この二つの神具に術に助けてもらって」
 それでというのだ。
「有り難くです」
「戦えますか」
「そうですさかい」
 だからだというのだ。
「何かあれば」
「戦闘も出来ますか」
「それなら尚更です」
「勇敢にですか」
「戦えます、ただ武器を持つのは」
 それはとだ、ホーソーンは真面目な顔で語った。
「あくまで武器を持たない人、弱い人それに」
「そうした存在にですね」
「そうしたものを護る為とです」
「それにですか」
「はい、自分を護る為」
「自衛ですね」
「まあ正義の為っていいますと」
 ホーソーンはこのことは笑って言った。
「大袈裟ですけど」
「ホーソーン様の正義は、ですね」
「親に言われました」
 起きた世界のというのだ。
「ファーザーにもマザーにも」
「お二方にですか」
「起きた世界のアメリカに今もいますけど」
 そこから日本に留学しに来ているのだ、小学校の時からであり大学卒業まで日本にいることが決まっている。
「いや、ほんま会うといつもです」
「言われていますか」
「正義は力がない、武器を持たない人を護ること」
「そうですか」
「言われていまして」
「それで、ですか」
「アメリカは起きた世界では正義の為に戦うと言われてますけど」 
 それを標榜している国である、ただし正義というものは多分に主観的なものであることは念頭に入れておかねばならないことだ。
「その正義とはです」
「ホーソーン様の場合はですね」
「そうです、そうした人を護ることなんで」
「その為に戦われますか」
「そうします」
 こう綱元に語った。
「この世界でも」
「では旗揚げされたら」
「そうした人を護る為にです」
「戦われますか」
「そうします、それと」 
 ホーソーンは胡桃やカシューナッツを口に入れて齧りつつ話した。
「バイキングは冒険するもんでもあります」
「冒険ですか」
「その為にも戦いますね」
「海や川を船で巡り」
「そうして冒険して」
 その様にしてというのだ。
「戦もします」
「そうですね、わしは漁師ですが」 
 綱元は自分の職業も出して話した。
「バイキングの冒険者は多いです」
「そうですね」
「ギルドに行けば」
 冒険者ギルド、そこにというのだ。 
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