恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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最終話 物語、大団円を迎えるのことその四
ギースはだ。ワインを手にクラウザーに述べていた。
「ではこれからもな」
「我等はだな」
「敵同士だ」
このことは確かに告げた。しかしだ。
それと共にだ。ギースはクラウザーに微笑みもしてだ。そのうえでだった。
こうだ。彼に言ったのだった。
「だがそれでもだ」
「憎しみではなくか」
「わかったのだ。御前は私でだ」
「貴殿もまた私だな」
「そしてテリー=ボガードもだ」
ひいてはだ。彼もだというのだ。
「狼なのだからな」
「狼と狼はか」
「互いに争いそうしてだ」
「己を高め合うものか」
「それはカインもだ」
ひいてはだ。彼もだというのだ。
「そのことは今まではわからなかった」
「いや、わかっていた筈だ」
クラウザーはそのギースに言ったのだった。
「貴様は既にな」
「そうだというのか」
「だからこそ貴様はあの時テリー=ボガードの手を振り払った」
かつてのタワーでの戦いの時だ。ギースはテリーに再び破れ吹き飛ばされた。その時だ。
テリーは無意識のうちにギースを救おうと手を差し出した。だがギースはその手を振り払い自ら落ちる道を選んだ。クラウザーはその時のことを言っているのだ。
「私も同じことになればだ」
「あの男の手を振り払っていたか」
「そうしていた」
クラウザーはだ。己もそうしたというのだった。
「何故なら私も狼だからだ」
「それ故にか」
「貴様もテリー=ボガードも狼に他ならない」
「狼故に我等は」
「そうだ、戦うがだ」
だがそれでもだった。
「そこには憎しみはないのだ」
「かつて私はジェフ=ボガードも貴様も憎んでいた」
ギースはかつてのことを話した。過去の己をだ。
「そしてテリー=ボガードも私を憎んでいた」
「では今はどうだ」
「狼に憎しみはない」
ギースは言い切った。はっきりと。
「そこにあるのは誇りだけだ」
「それならばだな」
「戦う。これからもな」
「私もだ。そうする」
こう言ってなのだった。彼等はだ。本来の世界に戻っても狼であることを誓い合うのだった。
袁紹は配下の者達にだ。こう告げていた。
「さあどんどん飲んで食べなさい」
「麻雀していいですか?」
文醜は右手を挙げてその袁紹に問う。
「もう徹マンしたくて仕方ないんですけれど」
「ええ、いいですわよ」
袁紹は文醜の願いを笑顔で受け入れた。
「好きなだけなさい」
「わかりました。それじゃあ」
こうして雀卓を出す文醜だった。そこにだ。
顔良に張郃、高覧が来て卓を囲む。彼女達も何だかんだで付き合っている。麴義も傍で見ている。
田豊と沮授は蔡文姫にこんなことを言っていた。
「これで匈奴も平定されて」
「北の憂いはなくなったわね」
「そうね。私も北の不安がなくなったことは」
その北に捉われたことのある彼女の言葉だ。
「何よりよ」
「そうね。まだまだやることは多いけれど」
「平和は取り戻せたわ」
こう笑顔で話すのだった。そこにはだ。
審配も辛姉妹もいる。袁紹陣営も平和を楽しんでいた。
袁術の下にいる者達は袁術達の応援をしていた。そしてだ。
董卓もだ。笑顔でだ。
妹の董白にだ。こんなことを話していた。
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