X ーthe another storyー
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第十四話 添星その十三
「本当に」
「僕はいいと思う様になったけれど」
「そうなの、私は特に」
「思わないんだ」
「特に」
こう哪吒に答えた。
「楽しくとも何ともないわ」
「そうなんだ」
「勉強もスポーツも退屈で」
それでというのだ。
「思うところはね」
「何もないんだ」
「そうなの」
これといってというのだ。
「本当にね」
「そうなんだ」
「だから貴方のお話を聞いても」
それでもというのだ。
「わからないわ」
「僕と違って」
「そうなのよ」
「そうなんだね」
「喜びとか悲しみとか苦しみとか」
そうした感情もというのだ。
「これといってね」
「感じないんだ」
「これまでの貴方と同じかしら」
無表情、能面の様なそれで話した。
「私は」
「僕は今は違うのかな」
「ええ、明らかにね」
「感情が出ているんだ」
「そうなっているわ」
「だとしたら嬉しいかな」
「そう思うこと自体がよ」
嬉しいと、というのだ。
「私にはないわ、そして身に着けようともね」
「思わないんだ」
「一切ね、感情は必要かしら」
人間にはというのだ。
「果たして。そして人間も」
「必要か」
「世界に。人間だけが他の命を奪うから」
こうも言うのだった。
「地球を汚して壊すから」
「いらないんだ」
「そうも思うわ」
「そうしたこともわかるわ、人間を知ってこそね」
庚がまた言ってきた。
「地の龍として動けるということもね」
「そうなるのね」
「ええ、知っていって」
これからというのだ。
「そうしてね」
「そうはならないと思うわ」
「今はそう言っていいわ」
庚は笑顔で話した、そしてだった。
封真の試合を観ていった、試合は彼の活躍で勝った。それが終わってからだった。
封真は仲間達と共にロッカーに終わって着替えようとするがその前にトイレに行った。それで一人になりあらためてロッカーに向かうと。
そこで庚達が前にいた、彼はロッカーに向かう途中で彼等と会ったが。
即座にだ、理解した顔になって言った。
「貴方達が」
「ええ、わかるわね」
「地の龍の」
「そうよ」
庚は封真に妖しく微笑んで答えた。
「私達こそがね、私は地の龍ではないけれど」
「束ねる立場ですか」
「庚よ。覚えておいて」
「麒飼遊人です」
次に遊人が名乗った、彼も微笑んでいる。
「宜しくお願いします」
「八頭司颯姫」
颯姫は無表情だった。
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