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仮面ライダーAP

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北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第11話


 4人の新世代ライダー達が変身・装着を終えて、それぞれの愛車を爆進させていた頃。
 市長公邸を目視出来る距離にまで接近していた解放戦線のメンバー達は、瓦礫に身を隠すように匍匐していた。彼女達は今、大量の大きな瓦礫が散乱している広い道路に部隊を展開させている。

 街中を見回っている数多の戦闘員。約1週間に渡るゲリラ活動の中で、その巡回ルートを完全に調べ尽くしていた彼女達は、警備が最も手薄になる時間帯とルートを事前に弾き出していた。
 ここに辿り着くまでの間、「想定外の強敵(フィロキセラ)」と遭遇して思わぬ苦戦を強いられたこともあったが、それでも誰一人として欠けることなく潜入出来ている。解放戦線の頭脳(ブレイン)であるレオナが、仲間達が持ち帰ったデータを元に完成させた、最も戦闘を回避出来る潜入ルートがあってこその成果と言えるだろう。

 ノバシェードの襲撃が始まった時は一介の民間人に過ぎなかった彼女達だが、もし今も正規軍に所属していれば国家を代表する女傑になっていたのかも知れない。その可能性も浮上するほど、彼女達の「才能」は抜きん出ていたのだ。

 むにゅりと地面に押し付けられた乳房の谷間や、地に伏せていても存在感を発揮している安産型の巨尻からは、濃厚な女の香りが滲み出ている。彼女の肉体から漂う蠱惑的な色香は、街中に染み渡る硝煙の臭いでも誤魔化し切れないようだ。

「……やっぱり居た、黒死兵……! しかも見立て通り、4人全員が揃ってるわ! あいつがこの街を、皆を、市長を……!」

 そんな彼女達を率いているニッテは、双眼鏡で公邸の門前に立つ4人の黒死兵を観察していた。
 漆黒のマネキンが野戦服を着ただけ――のようにも見えるこの怪人達が、このオーファンズヘブンを壊滅に追いやった元凶なのである。

 その諸悪の根源を改めて目の当たりにしたニッテは、恐怖と義憤が混じり合った眼差しで仇敵を射抜いていた。そんな彼女の隣に伏せていたヴィクトリアは、特大の爆尻をぷりんっと揺らしながら、リーダーの肩を静かに叩く。

「ニッテ、冷静になれ。私達の装備では、一般戦闘員の相手がやっとだ。警察や軍隊でも歯が立たなかった黒死兵に、真正面から戦って勝てる道理はない。通常兵器でも通用した先ほどの怪人とは、訳が違うのだぞ」
「……分かってるよ、ヴィクトリア。だから今回の陽動作戦なんでしょ」

 当然ながら、警察組織や正規軍の装備でも歯が立たなかった黒死兵に、解放戦線の銃器がまともに通用する可能性は皆無に等しい。だが、彼女達の目的は市長の救出であり、黒死兵達の打倒ではないのだ。

 約1週間の強行偵察を経て、敵方の戦力を把握したヴィクトリアとレオナ。彼女達が考案した作戦としてはまず、解放戦線のメンバー達による一斉射撃で黒死兵達の注意を引き付けている間に、主力メンバーの4人で公邸に突入。そして銃弾が通じる一般戦闘員達を制圧し、市長を救出。
 後はこの場を離脱し、街の外に展開している正規軍に市長の救出を伝えれば、作戦終了……という流れだ。

 人質さえ取り返して仕舞えば、後は正規軍による爆撃で市長公邸ごとノバシェードを一掃出来る。それに、「地の利」は解放戦線の方にある。
 これから始まる戦闘の轟音で他の戦闘員達が集まって来たとしても、安全圏まで無事にすり抜けられるルートなどいくらでもあるのだ。迷路のように入り組んだ路地裏や下水道などの脱出路は全て、メンバー全員の頭にしっかりと叩き込まれている。

 それに正規軍の特殊部隊が撃退された今ならば、ノバシェード側も油断し、解放戦線を過小評価している可能性が高い。その隙を突くことが、この作戦の肝となる。
 銃を持っているというだけの、無力な女子供。そのように侮られている自分達だからこそ、切り開ける道がある。それが、ニッテを筆頭とするオーファンズヘブン解放戦線の希望的観測(・・・・・)なのだ。

「私達は、皆を信じて前に進む。だからどうか……皆も、これが最後だと思って力を貸して欲しい。この街をあいつらから奪い返すには、皆の力が必要なの!」

 遮蔽物に事欠かない、瓦礫の山。そこに身を隠しながらも、ニッテがメンバー達を鼓舞するように声を張り上げる。じっとりと汗ばんだ肉体から輝かしい汗が飛び散り、豊満な乳房がどたぷんっと躍動する。

「市長さえ救出すれば、軍部も本腰を入れてあいつらを攻撃するはずだ。『仮面ライダー』に縋る必要もない。……私達は私達の手で、この街を取り戻す……!」

 爆乳を地面に擦り付け、安産型の桃尻をぷりぷりと揺らしながらも、匍匐の姿勢で黒死兵達を睨み付けているヴィクトリア。彼女も主力メンバーの1人として、仲間達にエールを送っていた。

「だけど……決して無理はしないこと。皆にして欲しいのは陽動であって、戦闘じゃない。あいつらが近付こうとして来たら、すぐにでも逃げろ! いいな!?」
「私達全員での生還。それが最大の目標であることを……忘れないでください」

 周囲に展開している仲間達を見渡しているエヴァとレオナも、乳房や巨尻をぷるんっと揺らして、それぞれの愛銃を構えていた。市長を含めた全員での生還という、最大の目標を叶えるために。

「よしっ……作戦開始っ! 行くわよ……皆っ!」
「了解ッ! 皆、必ず生きて帰りましょう! 全員でッ!」

 そして、ニッテの合図によって全員が同時に動き出し――市長救出作戦が幕を開けるのだった。黒死兵達の陽動を引き受けているエメラダ達が、たわわに実った乳房と巨尻をぷるんぷるんと揺らし、瓦礫の影から飛び出して行く。

 その存在を察知した4人の黒死兵達は、無謀な侵入者達を始末するべく無言でナイフを引き抜き、エメラダ達に向けて投げ付けて行く。
 彼らの正確無比な狙いで放たれた投げナイフは、確実に少女達の急所を貫こうとしていた。だが、天性の才覚を持つ彼女達は間一髪でその刃をかわして行く。

「きゃあっ!?」
「ひゃうぅっ!?」

 それでも、全員が簡単にかわせたわけではない。黒死兵達の投げナイフが戦闘服を掠めた瞬間、その箇所から美少女達の柔肌が晒け出されて行く。白や褐色の柔肌が露わになると、そこから濃厚なフェロモンがむわりと匂い立っていた。
 乳房や巨尻を覆い隠していた箇所を切り裂かれ、扇情的なブラジャーやTバックのパンティを露わにされてしまった者もいた。それでも彼女達は即座に恥じらいを振り切り、物陰に飛び込んで行く。

「んはぁっ、はぁあっ、はぁうっ……!」

 何日もシャワーを浴びていない美少女達の柔肌に、極度の緊張による汗が滴り落ちて行く。しとどに汗ばんだ肉体に染み付いた濃厚な女の香りは、遮蔽物越しであっても黒死兵達の嗅覚に届いていた。
 無慈悲な殺戮マシーン達は、遮蔽物に隠れているエメラダ達の命を刈り取るべく、野戦服の内側から次の一振りを引き抜いていた。どうやら彼らは無数のナイフを持っているらしい。

「させるかぁあぁあっ!」
「喰らえぇえっ!」

 そうはさせじと、別のポイントに配置されていた朔夜や、ブローニングハイパワーMkIIIを引き抜いたティエナ達が、一斉に身を乗り出して援護射撃を開始する。
 黒死兵達が彼女に狙いを切り替えた時には、すでに彼らの足元に投げ込まれた榴弾が炸裂しようとしていた。エメラダのM79をはじめとする、何丁ものグレネードランチャーが同時に火を噴いたのだ。

「今だ皆、攻撃開始っ!」
「行けぇえぇっ!」

 そこから迸る激しい爆煙に黒死兵達が飲み込まれた瞬間、彼らに狙いを定めたラングニル達の十字砲火が始まる。
 銃撃の反動で乳房や桃尻がぷるぷると振動し、彼女達の香りを掻き消すような硝煙の臭いが周囲を覆い尽くして行く。

「えいっ、えいっ! このこのっ……うひゃああ!?」
「リエリス伏せてっ! 頭を出したら危ないよっ!」

 メンバー最年少のリエリスも必死にシェードガンの引き金を引き、姉貴分達の一斉射撃に参加しているのだが、飛んで来たナイフに思わず悲鳴を上げてしまう。
 そんな彼女の隣でサブマシンガンを連射しているアロマが、リエリスの頭を掴んで強引に伏せさせていた。

 一方。激しい弾幕による猛煙を掻き分け、銃弾の豪雨を浴びながら姿を現した黒死兵達は、足元の巨大な瓦礫を容易く持ち上げると――スフル達目掛けて投げ飛ばして来た。

「危なっ……!?」
「……皆、避けて! いつものアレ(・・)が来るッ!」

 風を切る轟音と共に迫り来る、大質量のコンクリート片。その巨大な影を目の当たりにしたリリエラ達は生存本能に従い、素早くその場から飛び出して地を転がって行く。

 乳房と桃尻を揺らしながら辛うじてかわした彼女達の側では、周囲の建物に激突した瓦礫がさらに甚大な被害を齎していた。あまりの衝撃に崩落して行く建物がさらに多くの瓦礫を生み、砂塵を巻き起こして行く。

「……相変わらず無茶苦茶なんだから……!」

 建物の崩壊による瓦礫の飛散を、地に伏せて凌ぎながら。銃身を握り締めるカミラ達は、この1週間の中で何度も目の当たりにして来た瓦礫攻撃の威力に、冷や汗をかいている。
 このオーファンズヘブンを破壊し尽くして来た黒死兵達。彼らの尋常ならざる膂力があれば、街を壊すのに爆弾も大砲も要らないのだ。彼らは自らの腕力だけにモノを言わせるこの「砲撃」で、罪なき人々を蹂躙して来たのである。

「だけど……それでも! 私達は、絶対に諦めないッ!」

 その威力を改めて思い知ってもなお、エメラダ達は臆することなく銃を取り、攻撃を続けて行く。彼女達の目的はあくまで市長の奪還であり、制圧ではないのだ。

 黒死兵達を倒す必要はない。ただ食い止めるだけで良い。市長さえ取り戻すことが出来れば、後は正規軍が何とかしてくれる。
 その望みに希望を託し、彼女達は引き金を引き続けていた――。
 
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