夢幻水滸伝

「そうしたや」
「これまで劣勢やったな」
「条件はな」
「変わってへんな」
「ああ、しかしな」
　それでもとだ、エミリーは話した。
「陸上戦力も同じや」
「使えるもんは全部使う」
「そしてや」
　そのうえでというのだ。
「勝つ」
「そういうことやな」
「ああ、それで自分が攻めて」
「敵をな」
「私は迎え撃ってな」
「砲撃や航空機での攻撃にやな」
「専念するわ」　
　こうホーソーンに話した。
「それでええな」
「ああ、援護は頼むわ」　
　ホーソーンは強い声で返した。
「是非な」
「そうしてこな」
「この度の戦はな」
「乾坤一擲の勝負をな」　
　それをとだ、エミリーは言った。
「仕掛けるで」
「ここはな」
　ホーソーンも頷いた、そうしてだった。
　全軍に出撃命令を下した、二人が率いる十五万の軍勢は一斉に動きリンチバーグを出てそのうえでメルヴィル達の軍勢に向かって動きだした。
　その軍勢を見てだった、メルヴィルは空を飛ぶグリフォンの背から言った。
「よし、来たな」
「そうですね、軍は二つに分かれています」　
　グリフォンは敵軍を見て主に答えた。
「先陣は九万、ホーソーン様が率いられ」
「後陣は六万、エミリーちゃんが率いてる」
「二手に分かれてな」
　そうしてというのだ。
「それぞれな」
「連携して動いています」
「その軍勢にや」
「我々はどう戦うか」
「まずはや」
　メルヴィルはグリフォンに応えて話した。
「航空機と空を飛べる将兵でな」
「空から攻撃しますか」
「敵の航空機を退けてからな」　　
　見ればエミリー達の軍勢も航空機を出している、複葉機の編隊が幾つも展開しそのうえでこちらに来ている。
「そうしてからな」
「空から敵の主力を攻撃しますか」
「そや、空からの攻撃こそな」
　まさにというのだ。
「勝利のや」
「最初の一手ですね」
「それでや、わしもや」
　メルヴィル自身もというのだ。
「攻撃を行うで」
「まずは敵の航空部隊に」
「そしてな」
　そのうえでというのだ。
「空からな」
「采配もですね」
「執ってく、やっぱり空から見るとな」
　戦、それをというのだ。
「本当にな」
「戦局全体がわかりますからね」
「それだけ有利や」
「だからこそ」
「自分に乗ってな」
　グリフォンにというのだ。