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やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか

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パラディ島編 第8話 訓練兵団③

日は進みある日の午前訓練。

 格闘術の訓練では訓練兵たちが二人一組のペアを作り、
 対刃物実践護身術について行われていた。

 俺は、ボッチだから自分でペアなんか組めるわけ無いだろうと
 思っていたら、ヒョウが誘ってくれたため、ペアを組むことが
 できた。

 ヒョウ「よし、ハチマン。今回は、対人格闘だが・・・、
     ・・・俺は、大虐殺genocideルートでいく。
     本気でいけよ?周りにばれない程度でな。」

 ハチマン「・・・は?マジで?
      てか、ヒョウはcharaにはなれないだろ。」

 ヒョウ「忘れたのか?storyshiftのcharaを・・・。」

 ハチマン「確かに、あのcharaもsans枠だが・・・、
      できるのか?」

 ヒョウ「ああ。しかも、swapfell Papyrusや
     storyswap asrielにもなれる。」

 ハチマン「」(絶句)

 ヒョウ「さて、始めるか。(olvlo)」

 そう言った途端、ヒョウはcharaと同じ笑みを浮かべ、
 俺に木のナイフを振るってきた。

 ハチマン「うおっ!」

 俺は、それを空間移動で避ける。

 ・・・やべぇ、ヒョウ、持ってるナイフにcharaのナイフみたいに
 赤い殺気を纏わせてる。

 ヒョウ「(olvlo)」

シュッ!シュッ!シュッ!

 ヒョウの攻撃を今何とか避けてるが・・・、
 そのうち体力が無くなって、攻撃を食らいそうだな・・・。

 ハチマン「ちっ・・・。」

 俺は、重力操作を使い、ヒョウとの距離を離した。

 そして、

 ヒョウ「(olvlo)」シュッ!

 ハチマン「・・・!っらぁっ!」

 ヒョウが一気に距離を詰め、攻撃してきたとき、
 空間移動でぎりぎりのところで回避、その後カウンターをした。

 ヒョウ「ぐふぅ・・・。」

 ヒョウは、カウンターの一撃で何とか気絶した。

 ・・・気絶したぁ!?

 ハチマン「ちょ、ま、おい!ヒョウ!」

 ハチマン(こういうときは・・・、医務室だな。)

 俺は、ヒョウを持ち上げようとした時、

 ヒョウ「う、ううん・・・。はっ!」

 ヒョウが何とか起きてくれた。

 ヒョウ「・・・おはよう。」

 ハチマン「・・・ヒョウ。」

 ヒョウ「・・・はい。」

 ハチマン「何かいう事は?」

 ヒョウ「・・・ごめんなさい。」

 ハチマン「・・・もうするなよ。」

 ヒョウ「はい・・・。」

 ---

 あの対人格闘の件から約2ヶ月、訓練兵団入団から半年が経った。

 今日は、今年1年間の総合的な成績が発表される。

 前の世界で言う学校の通知表みたいな物に自身の成績が書かれており、
 それが個人個人に配られる。

 訓練兵の成績は主に6つの分野によって評価される。

 立体機動術

 対人格闘能力

 座学

 兵站行進

 馬術

 技巧

 これらの総合的評価で訓練兵の成績がつけられている。

 立体機動術は立体機動装置操作に必要な能力、
 立体機動装置操作の巧みさが求められる。

 対人格闘能力は短刀の処理能力、組手での対応、一対複数時の対応など、
 対巨人ではなく対人戦の適応力が求められる。

 座学は言葉の通り、この世界の法律や規則、様々な知識が求められる。

 兵站行進は補給や支援に関わる分野。
 緊急時におけるサバイバル要素の適応力、判断力、対応力、協調性が求められる。

 馬術は、主に調査兵団や駐屯兵団が移動手段に使う馬を操る能力が求められる。
 馬を碌に扱えない奴が兵士になる資格などないのだ。

 最後は技巧。立体機動装置の道具や新兵器の開発・整備の知識が求められる。
 技巧能力が高い者は兵士になる以外に技巧科といい、工場都市で新兵器の
 開発など、兵器の開発をする科に移動することもできる。

 しかしこれは表向きの成績評価。実際には立体機動術が成績に大きな影響があり、
 逆に対人格闘能力の成績はあまり大きな影響は無い。

 またこれらを総称して格闘力、行動力、頭脳、協調性と表されている。

 通知表には、各自の課題、短所、長所など、教官たちの言葉も書かれており、
 資料の最後に上位成績10番以内者は数字が加えつけられていて、
 その数字を見て声を荒げて喜ぶ影があった。

 ジャン「よっしゃ!! 俺6番だぜっ!!」

 マルコ「本当かよ、凄いなジャン!」

 ジャン「ああ!これからも努力して、憲兵団に入ってやる・・・!」

 この日に限ってはキースも兵士たちが騒ぐのを了承し黙って前で
 彼らを見つめている。

 明日、休日を挟み来週からは立体機動装置を使っての訓練が始まる。

 これまでの立体機動装置を使いこなせるために必要な空間把握能力、
 動体視力、重心把握、計画性などの訓練から実際に立体機動装置を使っての訓練。

 実物を使っての訓練はまた違った危険が含まれており、違う要素が備わっている。
 操作一つ誤れば命の危険にもつながる危険な訓練が始まろうとしている。

 そんなことなど知ってか知らぬか、馬面の男、ジャンやその他の成績上位10番に
 入った者は少なからず反応を示していた。

 2人の少年を除いては・・・。

 アルミン「ミカサやエレンはどうだった?」

 エレン「俺は8番だったぜ。巨人については理解できているが、他ごとにも
     関心を持つことって書いてある。ミカサはどうだったんだ?」

 ミカサ「私は3番だった。」

 アルミン「うわぁ、エレンもミカサも凄いなぁ・・・。
      僕なんて10番にも入ってないのに・・・。」

 エレン「アルミンは座学トップじゃないか!
      体力面はこれから頑張っていけばいいんだよ!」

 仲良し三人組のエレン、ミカサ、アルミンは固まって成績表を見ている。

 ライナー「ベルトルト。お前はどうだった?」

 ベルトルト「僕は5番だったよ。ライナーは?」

 ライナー「俺は4番だ。ミカサが3番らしいが、1位と2位は誰だ?」

 ベルトルト「うーん・・・、誰だろう?」

 アニ「たぶん、1位と2位ならあいつらでしょ・・・。」

 ライナー、ベルトルト「「あいつら?」」

 アニの視線の先は、ライナー、ベルトルトは物や訓練兵の姿で隠れて、
 見えなかったが、アニの眼にははっきりと建物の壁にもたれかかる、
 アホ毛の少年と少女のような少年が写っていた。

 ---

 ハチマン「・・・うっそだろ、お前・・・。」

 ヒョウ「」

 ---

 ハチマン・ヒキガヤ 

 立体機動術  9

 対人格闘能力 10

 座学     9

 兵站行進   6

 馬術     9

 技巧     8

 格闘力10 行動力10 頭脳9 協調6

 総合成績 1位

 ---

 ---

 ヒョウ・ギルデット

 立体機動術  10

 対人格闘能力 10

 座学     7

 兵站行進   7

 馬術     7

 技巧     8

 格闘力10 行動力9 頭脳7 協調8

 総合成績 2位

 ---

 ヒョウ「・・・やりすぎた、な・・・。」

 ハチマン「」(呆然)

 ヒョウ「ハチマン。」

 ハチマン「・・・?」

 ヒョウ「一緒に立体起動訓練、サボるか。」

 ハチマン「・・・ああ。」

 ヒョウ「あ、後、朝の訓練にクリスタを誘って、体力を付けさせよう。」

 ハチマン「?なんでだ?」

 ヒョウ「クリスタに最後の順位付けで成績上位者に入ってもらったら、
     もし、成績が低かった事がミカサにばれた時に、
     『クリスタにいろいろ教えてたら、順位が下がってた。
      ちょっと強化しすぎた。』
     って言い訳ができる。」

 ハチマン「ふむ・・・。でも、なんだか騙している様な・・・。」

 ヒョウ「大丈夫だ。クリスタは、強くなれるし、成績上位者って言う
     箔が付く。
     俺らには、鍛錬に付き合ってたって言う、サボりの口実と
     言い訳を手に入れられる。
     win-winだろ?」

 ハチマン「・・・う~ん・・・。」

 ヒョウ「ミカサに成績が低いことがばれたら、
     やばいことになるぞ・・・。」

 ハチマン「・・・うん。クリスタを鍛えよう。」

 ヒョウ「ああ。」(ふっふっふっ、計画どうり・・・!)

 ---

 俺は、今クリスタを探している。

 なぜかって?

 俺がクリスタとまあまあ仲がいいからだよ!

 ・・・天使と仲良くできるのはいいことだが。

 てか、

 ヒョウ「ハチマン、クリスタを鍛錬に誘うときは、できるだけ
     微笑みながら誘え。
     そうすれば、クリスタがたとえ渋ったとしても、
     落ちて(二つの意味で)くれるはずだ。」

 って、どういう事だよ・・・。

 こんな腐り目の男が微笑んだって、何の特にもならないだろ・・・。

 と、本人は思っているが、
 実際は、少し目が濁っているがそれがいいと感じるような顔に
 なっており、前の世界では、逆ナンされるくらいのイケメンであった。

 そんなことを考えていると、

トコトコ

 クリスタが、こちらの方に歩いてきているのが見えた。

 ハチマン(いたっ!)

 クリスタ(!やだ、ハチマンがいる・・・。班行動の時は意識しないようにして、
      一緒に行動してるけど・・・。どうしよう・・・。
      というか、何でこんなにハチマンのこと考えてるの!?
      ま、まさか私ハチマンのこと、好きn「クリスタ!」

 クリスタ「!・・・な、何?ハチマン。」

 ハチマン「なぁ、明日の朝から、一緒に訓練やらないか?」

 クリスタ「!?」(ま、まさか2人っきりで!?ど、どうしよう・・・。
          ハチマンと2人で訓練するってだけでなんだか
          ドキドキしちゃうよぉ~・・・。)

 ハチマン「・・・?どうした?クリスタ。」

 クリスタ「!な、何でもない!
      ね、ねぇその訓練って、その・・・、2人でやるの?」

 ハチマン「?いいや?ヒョウも一緒にするが・・・。」

 クリスタ(えっ、2人っきりじゃないの・・・?
      って、何考えてるの!?私!
      何でちょっとガッカリしたの!?)

 ハチマン「それで、どうだ?」

 クリスタ「え!?・・・う、う~ん、朝はもうちょっと寝たいかな~
      なんて・・・。」

 ハチマン「そ、そうか・・・。」

 クリスタ(え!?ちょっと、そ、そんなに落ち込まなくても・・・。)

 クリスタ「・・・ハチマン!や、やっぱり私も訓練やる!」

 ハチマン「!ほ、本当か!?ありがとう!」スコシホホエム

 クリスタ「へ・・・?にゃ、ほにゃ・・・。」カオマッカ

 ハチマン「ん!?おっと、大丈夫か?」

 クリスタ「ほ?」スンスン

 クリスタ(ほにゃ!?わ、私、ハチマンの胸にもたれ掛かってるの!?
      はわわ!ど、どうしよう!?ってあれ?この匂い・・・。
      ・・・はにゃ、良い匂いだよぉ~。)

 ハチマン「あ、あのクリスタさん?退いて頂けると助かるのですが・・・。」

 クリスタ「・・・はにゃ!?ご、ごめんね、ハチマン・・・。」

 ハチマン「いやいい。お前は、ただこけてしまっただけだしな。」

 クリスタ「むぅ・・・。」プクゥ~

 ハチマン「どうした?クリスタ。」(頬を膨らませているのもかわいい。)

 クリスタ「名前・・・。」ボソッ

 ハチマン「?」

 クリスタ「もう!お前じゃない!クリスタって呼んで!」

 ハチマン「お,おう。分かった。」

 ハチマン「じゃあ、クリスタ。明日の朝5時ごろに兵舎の裏で集合な。」

 クリスタ「うん!分かった!」

 ハチマン「じゃ、また明日。」

 クリスタ「うん!また明日!」

 ハチマン(よし、これで成績が下がったときの保険ができた・・・。
      ・・・うっ、天使を騙した罪悪感が・・・。)

 クリスタ(んふふ~、明日からハチマンとくんれんっ!
      楽しみだな~!って、何考えてるの!?私!)

 ---

 次の日の朝

 ヒョウ「おい、起きろ。」

 ハチマン「っ、ぁ・・・ぁさか・・・。」

 ヒョウ「そうだ。朝だ。という事で鍛錬に行くぞ。」

 ハチマン「っぁ、ああ。」

 ー兵舎裏ー

 ヒョウ「ん?・・・どうやら、クリスタが先に来ていたようだな。」

 ハチマン「そうみたいだな。」

 クリスタ「!ハチマン!遅いよ!」

 ハチマン「お~う。」

 ヒョウ「・・・忘れられてる?」

 クリスタ「!ヒョウ!おはよう!」

 ヒョウ「!ん、ああ。おはよう。」

 クリスタ「訓練って言ってたけど、何するの?」

 ヒョウ「ああ。まずは、俺と対人格闘だ。」

 クリスタ「へ?」

 ヒョウ「俺と対人格闘訓練をして、その動きをハチマンに見てもらう。
     そして、何処の動きがどう悪かったか。
     どうすればその部分が直って、伸び代を見出せるか。
     それを1週間ほど続ける。」

 クリスタ「う、うん。分かった。」

 ヒョウ「よし、準備はできたか?」

 クリスタ「う、うん。」

 ヒョウ「よし。なら、始めるぞ。」

 ---

 クリスタ「はぁ、はぁ・・・。」

 ヒョウ「うん。まず体力がない。対人格闘術や立体起動術を磨く前に
     もっと体力、筋肉を付けないと・・・。」

 ハチマン「ただ、体はまあまあちゃんと動かせていたから、
      まだいいんじゃないか?」

 ヒョウ「まあな。体の動かし方はちゃんとできてた。
     いつも一緒にいるやつのおかげかな・・・。
     ・・・とりあえず、明日の朝からは、筋肉を付けるトレーニングをする。
     って言っても、食生活と朝の鍛錬、動きに気をつけながら
     訓練をするだけなんだがな・・・。」

 ヒョウ「分かったか?」

 クリスタ「・・・う、うん。」

 ハチマン「とりあえず、俺たちは、行かなきゃいけないところがあるから。
      クリスタ。明日もこの時間に。」

 クリスタ「う、うん・・・。また明日。」

 ハチマン「おう。」

 ---

 ハチマン「よし、ヒョウ。狩りにいくか。」

 ヒョウ「ああ。久しぶりに行くな。」

 そう、俺たちはクリスタに筋肉、体力、俊敏性、etcを付けさせるため、
 バランスの良い食事を取らせようと思い、動物の肉の燻製焼きと
 山の山菜を食わせようと思った。

 ので、教官に外出許可をもらい、訓練兵団の敷地の森で狩りをすることにした。

 今回も、前の装備のままで狩りをするが・・・

 ハチマン(弓や槍の腕が鈍ってないといいが・・・。)

 そう。半年振りに狩りをする上に、ナイフ、片手剣はまだしも、
 弓や槍は、訓練などで一切使えないため、長い間で
 どれだけ腕が落ちているのか分からないのだ。

 ハチマン(その状態で行っていいのか・・・?)

 ヒョウ「ハチマン。悩んでも仕方ないぞ。
     槍はともかく、弓は練習なんてできないからな。」

 どうやら、ヒョウには俺が考えていることがお見通しらしい。

 ハチマン「・・・そうだな。弓は徐々に感覚を取り戻していくか。」

 ヒョウ「そうした方がいい。焦っても、何の解決にもならないからな。」

 ハチマン「ああ。・・・さて、行くか。」

 ー山の中ー

 ヒョウ「!ハチマン!」

 ハチマン「っ!」ピュッ

キュゥー

 ハチマン「・・・よし!腕はあまり落ちてなかったな。」

 ヒョウ「ふう・・・。これで、7匹目か・・・。」

 ハチマン「あとは、山菜だな・・・。」

 ヒョウ「ここに来るまでに、山菜ってあまり見なかったよな・・・。」

 ハチマン「そうだな・・・。山菜が生えていたのは、せいぜい
      ここに来るまでに見かけた川のミゾソバぐらいだ。」

 そう。ここに来るまでに川があり、川の斜面には、ミゾソバが生えていた。

 ミゾソバは小川沿い,沼沢地,湖岸などに生えており、
 新芽や柔らかい葉は食べることができ、おひたし,ごまあえ,
 佃煮,油いためなどにするとおいしい。

 ちなみに、ミゾソバは乾燥させた茎葉を煎じて飲めばリューマチなどに、
 生の茎は擦り傷などに揉み込むと止血によいとされている。

 栄養価が高いため、これを使えば、多少は食事のバランスがよくなるだろう。

 ハチマン(もしかしたら、川の上流の方には、シソやクズも
      あるかもしれない・・・。)

 ハチマン「ヒョウ。帰るときに、川に寄っていいか?」

 ヒョウ「・・・?別にいいが・・・。何をするんだ?」

 ハチマン「魚がいるかどうかを確認するのと、上流の方にいって、
      シソのような川の近くに生えている山菜があるかどうか、
      確認する。」

 ヒョウ「なるほど・・・。わかった。」

 ハチマン「!薫製焼きができたぞ。」

 ヒョウ「そうか。なら、もうそろそろ帰るか。」

 ハチマン「ああ。」

 ---

 あのあと、俺たちは川の上流の方へ上り、川魚と川海老を釣り、海藻と
 シソ、サルトリイバラを採集した。

 これだけあれば、栄養価の高い料理を作ることができるだろう。

 ハチマン(まあ、灰汁抜きとかの下準備とかは、ヒョウが
      全部するんだが・・・。)

 ヒョウは、下準備などが料理の中で一番得意らしく、
 1から10全てを作れるのは、カレーと白米、そしてスパゲッティ
 ぐらいらしい。

 ・・・正直言って、1からスパゲッティ作れることはすごいと思う。

 ので、おひたしやてんぷらは、俺が作ることになった。

 ハチマン「あ・・・。」

 ヒョウ「?どうした?」

 ハチマン「・・・油、どうしよう・・・。」

 ヒョウ「あ・・・。」

 ---

 油は、教官にてんぷらをおすそ分けすることで分けてもらい、
 俺は、調理場を借りて、てんぷらとおひたしを作っていた。

 ハチマン「よし。おひたしは完成っと。
      あとはてんぷらだが・・・。」

 ・・・どれだけてんぷらを作ろう・・・。

 まず、教官達の分、クリスタの分、俺たちの分だが・・・

 足りるか?

 ・・・仕方ない。全員の量、少なめにしておくか・・・。

 そう思い、天つゆを作り始める。
 
 天つゆは、川に生えていた海藻と川魚を異常者オカシナモノの異常操作で昆布と
 カツオ節にして、昆布を1時間ほど置いて出汁をとる。


 出汁をとっている間に油を温めて、てんぷら粉を作る。

 まず油を中火で温める。

 この時、温まったか確かめるため、割り箸(木の枝を削って作ったもの)
 を油の中に突っ込んで、先端から気泡が出るかどうか確かめよう。
 気泡が出たら揚げ時のサインのため、出るまで火にかけておく。

 次にてんぷら粉を作る。

 って言っても、卵と冷水、異常者オカシナモノの異常操作で作った薄力粉を混ぜるだけだけど。

 てんぷら粉が出来たら、具材にてんぷら粉を付ける。

 まずはシソの葉。大葉に衣を一枚づつ付ける。

 そして揚げる。

 サルトリイバラも同じようにする。

 川海老は、天ぷら粉にまぶして、揚げる。

 出汁を取り始めて1時間たったため、火を止め、カツオ節を入れ、煮込む。

 その煮込んだものからカツオ節を取り除き、みりん、しょうゆを加え、
 もう一度煮込んだら、天つゆの完成。

 他の食材も揚げ終わったら完成。

 あとは、おひたしとてんぷら、薫製肉を盛り付けて、クリスタに渡せばいい。

 教官達には、おひたしとてんぷらだけでいいだろうし。

 俺たちも、おひたし、てんぷら、川魚を食うし。

 さて、配膳に行きますか。

 ―教官室―

 ハチマン「・・・。」コンコン

 キース「入れ。」

 ハチマン「失礼します。調理場を貸していただきありがとうございます。
      こちら、調理室で私が調理したてんぷら、おひたしです。
      食べる際には、おぼんの手前に置いてある箸をお使いください。」

 キース「うむ。分かった。」

 ハチマン「では・・・。失礼しました。」

 キース(これが、東洋の食べ物であるてんぷらとおひたし・・・。
     まさか、実際に見ることが、いや、食すことが出来るとは・・・。)

 キース(そして、これが箸・・・。東洋にはこんな文化があったのだな・・・。)

 キース「さて・・・、いただくとするか。」

 ---

 ハチマン「さて・・・、クリスタとヒョウを呼んでくるか・・・。」

 そんなことを考えながら女子寮に向かっていると、
 ちょうど食事を摂ろうと思ったのか、クリスタとユミルがこちらに向かって
 歩いてきていた。

 ハチマン「クリスタ、ユミル!」

 クリスタ「っ!ど、どうしたのハチマン?」

 ユミル「あぁん!?私のクリスタに何のようだ?」

 ハチマン「いや、教官に許可を貰って、ちょっと栄養価が高い食事を
      作ったから、クリスタに食べてもらおうと思ったんだが・・・。」

 ユミル「ほ~う。それは、もちろん私の分もあるんだよな?」

 ハチマン「ん?ああ。一応、薫製肉があるから、それを食うか?」

 ユミル「このご時勢に肉?おいおい、そりゃホントか?」

 ハチマン「ああ。今日、狩りに行って、捕りたてのウサギ肉だ。」

 ユミル「そうか。なら、いただくとするか。」

 ハチマン「ああ、そうしてくれ。」

 クリスタ「そういえば、何を作ったの?」

 ハチマン「クリスタには、栄養面を考えて、東洋のおひたしと
      山菜のてんぷらを作った。」

 クリスタ「てんぷら?おいしいの?」

 ハチマン「それについては、自分で確かめてくれ。」

 クリスタ「うん。分かった!」

 ---

 クリスタ「!こ、これがてんぷら・・・。」

 な、なんか目が星になってるような・・・。

 クリスタ「はむっ。・・・おいしい!」

 ハチマン「そりゃ良かった。」

 ヒョウ「久しぶりのてんぷらだぁ。いただきます。」

 ハチマン「いただきます。・・・うん、おいしい。」

 ヒョウ「魚もこの魚なら食えるな!」

 ユミル「!これ、マジモンの薫製じゃねぇか!うまいな・・・。」

 ハチマン「そう言って頂けるのは、うれしいこって。」

 ヒョウ「おひたしも上手に出来てるな・・・。」

 クリスタ「うん!おいひい!」

 ---

 ヒョウ、ハチマン「「ごちそうさまでした。」」

 クリスタ「とってもおいしかったよ!」

 ユミル「ああ。あの肉しか私は食ってないけどな。」

 ハチマン「お粗末さまでした、とでも言っておく。」

 クリスタ「ねぇ、栄養を考えたって言ってたけど、
      明日もあれを食べれるの?」

 ハチマン「ああ。って言っても、おひたしと薫製肉だけだけどな。」

 ハチマン「さっきのに加え、パンとスープ、体を動かす訓練をしていたら、
      ちゃんと筋肉が付く。
      筋肉が付くまで、がんばれよ。」

 クリスタ「うん!」

 ハチマン「ユミル。」

 ユミル「あ?なんだ?」

 ハチマン「頼みがある。」

 ユミル「ほ~う?私に頼みごと・・・、言ってみろよ。」

 ハチマン「クリスタに1日3食、出来るだけ薫製肉を食わせてやってくれ。」

 ユミル「はぁ?なんでだ?」

 ハチマン「俺は、いや、俺たちはクリスタを卒業時点で成績上位者に入れたい。」

 ユミル「!・・・それは何でだ?」

 ハチマン「目立つのが嫌だから。」

 ユミル「は?」

 ハチマン「あと、ミカサとかに成績が低かったときに言い訳が出来るから。」

 ユミル「・・・。・・・そうか。いいぜ、協力してやるよ。」

 ハチマン「ああ。すまんな。」

 この同盟が、クリスタにどう関わってくるのか。
 それは、神と界王のみが知る・・・。 
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