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仮面ライダー龍騎 夢に向かえ

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第十三章

「貴方は仮面ライダータイガ」
「僕もですか」
「手塚君は戦いは嫌なのよね」
「好きじゃない」
 淡々としているが嫌悪感がわかる声で述べた。
「俺は争いは嫌いだ」
「けれどそれを止めさせるには力が必要ね。だから」
「俺もライダーに」
「そういうこと。わかってくれた?」
「ええ」
 その言葉を受けて頷く。
「わかりたくはないがな」
「ささ、じゃあ貴方も変身して」
「わかった」
 次に東條に言う。
「人気者になりたいのなら正義の味方になることよ」
「正義の味方、仮面ライダーに」
「そう。悪い奴等を倒しちゃってね。いい?」
「わかったよ。じゃあ」
 彼も頷いた。二人は同時に変身に入った。
 手塚は左手でカードを出した後で右手を前にやる。人差し指を立たせ他の指は緩い拳にしている。それで変身に入る。
「変身!」
 赤紫のライダーになる。仮面ライダーライアであった。
 東條は複雑な空手の演舞を思わせる動きを見せた。右手でカードを前に出した後で両手をクロスさせ腰の横にやる。それから左手を右斜め前にやや曲げてあげて右手はその下にやる。そしてその左手を虎の爪のように曲げたまま出して言う。
「変身!」
 白銀色のライダーになった。斧を手にすぐに前に出た。
「おい、もう行くのか」
「彼がタイガなのよ」
 女はタイガとなった東條を見送って言う
「そうなのか」
「じゃあ君もね」
 そしてライアとなった手塚に声をかける。
「頑張ってね」
「わかった。それが運命なら」
 彼は言う。
「俺も・・・・・・闘う」
 鞭を出して突撃する。左右にいるモンスター達をそれで薙ぎ払う。四人のライダーは一条の援護の下次々に敵を倒していく。
 モンスター達は次々と倒されていく。だがやがて形勢不利を悟ったのか彼等は停車している車の窓に飛び込んでいく。そして姿を消していった。
 金色のライダーはそれを追う。そして彼も窓の中に飛び込んでいった。
「鏡の中に」
「どういうことだ!?」
 シザースとライアはそれを見て驚きの声をあげた。そこにまたあの女がやって来た。
「言い忘れていたことがありましたあ」
「言い忘れていたこと?」
「はい。モンスター達は鏡の間を移動できるんです」
「そうだったんだ」
 タイガがそれを聞いて声を出す。
「はい。そして貴方達も」
「鏡の間を移動できるんだな」
「そうです。だからここから飛び込めばそのまま」
 今度はライアに答える。
「追いかけていくことができます。それでその向こうには」
「モンスター達がですね」
「その通りです。だからここは」
「わかっています。一条さん」
 須藤は側に来ていた一条に顔を向けて言う。
「ちょっと行って来ます」
「わかった。上には伝えておく」
「お願いします。それじゃあ」
「これで警察は二人のライダーを得たな」
「氷川君とですか」
「そして君とだ。宜しく頼むぞ」
「ええ。じゃあ」
 最初に飛び込んだのは須藤であった。その次には手塚が。
「ならば俺も」
「僕も」
 そして東條も。三人のライダーは全てモンスター達との戦いに向かったのであった。
 残ったのは一条、そして女だけであった。一条はあらためて彼女を見やった。
「どうやらグロンギではないな」
「全然違いますよお」
 女はおどけた様子でこう返してきた。
 
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