夢幻水滸伝
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第二百九十話 血脈の様に流れてその四
「そやからご飯を食べへんとあかんねん」
「ああ、そうでしたね」
「日本人はその様ですね」
「主食はあくまでお米で」
「他のものは主食ではないと考えているふしがありますね」
「パンも食べるけど」
それでもというのだ。
「定期的にご飯を食べたくなるねん」
「日本人はそうですか」
「お米に愛着があり」
「定期的にご飯を食べたくなる」
「そうした人達ですか」
「そやねん、私等はパンも食べるし」
ただメアリーは今はスパムバーガーを食べているのでパンは食べていない、他の者達が食べている。
「ジャガイモもな」
「食べますね」
「ジャガイモも主食ですしね」
「我々にとっては」
「しかし日本人はな」
彼等はというのだ。
「ご飯が第一で」
「定期的に食べないとですか」
「駄目なのですか」
「国木田様達も」
「今頃お握りでも食べたくなってるわ」
こう予想するのだった。
「ほんまな」
「そうですか」
「日本人のそのことは知りませんでした」
「ですがいい勉強になりました」
「そうした習性があったのですね」
「習性っていうか食事の傾向やな」
それになるというのだ。
「日本人の」
「そのこともわかりました」
「覚えておきます」
「そちらも」
「そういうことでな」
こうしたことを話しつつだった。
メアリーは自分が率いる将兵達と共に食事を楽しんだ、その頃碧達はメアリーの読み通りにであった。
お握りを食べていた、碧は三角のそれを食べつつ言った。
「やっぱりこれじゃのう」
「ほんまそうですね」
「お握り最高ですね」
「戦の場で食べるとまた美味しいです」
「絶品です」
瑠璃子達四人も食べつつ話す。
「中の梅干しやタラコもええです」
「具もまた」
「それで海苔で巻く」
「そうすると余計にええですね」
「お握りなくしてや」
碧は中の梅も食べつつ言った。
「何が人生や」
「あの、宜しいでしょうか」
食べる碧に将軍の一人が言ってきた、ダックの初老の男だ。
「日本人は何故そこまで」
「ご飯が好きでじゃのう」
「お握りがお好きなのですか」
「こっちの世界でもじゃな」
「そうです、国木田様達もですね」
「もうこれは滲み付いてるもんじゃ」
碧は食べつつ答えた。
「こっちの世界でも日本人にはな」
「だからなのですか」
「定期的にじゃ」
まさにメアリーが言う通りにというのだ。
「ご飯特にじゃ」
「お握りが食べたくなりますか」
「そうなのじゃ」
「それで我々もですね」
「今日はお握りでな」
それでというのだ。
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