振られた直後に後輩と
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第三章
池田は仕事帰りに真理愛を彼が失恋した時に彼女に連れて来てもらったバーに連れて行ってそこで飲みながら話した。
「前の彼女から携帯に電話来たよ」
「えっ、そうなんですか」
「うん、あの彼氏と別れたってね」
「そうだったんですか」
「あの彼氏実は売れっ子でもかなり悪質なホストで」
そうした輩でというのだ。
「イケメンなのも身なりがいいのもね」
「女の人達に貢がせて」
「それでお金全部取ってね」
「捨てる様な人で」
「自分もそうされたらしくて」
それでというのだ。
「泣きながら俺にね」
「復縁言われたんですね」
「断わったよ」
この話に不安そうな顔になった真理愛に即答した。
「もう終わったってね」
「そう言われたんですか」
「正直傷付いたからね」
だからだというのだ。
「もうね」
「そうですか」
「うん、それで切って」
そしてというのだ。
「非通知にしたよ」
「そうなんですね」
「正直あの時は傷付いたし」
池田は憮然とした顔で話した。
「客観的に見ても酷い振られ方でね」
「そうですね、私もそう思います」
真理愛もそれはと応えた。
「聞いていて」
「そうだよね、それでね」
「自分が振られてですね」
「仕事はあるけれどもう貯金がなくなるまで蜜がされて捨てられて」
そうしてというのだ。
「酷い目に遭ったからってね」
「よりを戻そうなんて」
「都合がいいよ」
こう言うのだった。
「あまりにもね」
「そうですね、それじゃあ」
「うん、非通知にしたし」
「もう縁切りですね」
「そうだよ、何よりも今の俺には真理愛ちゃんがいるし」
今は彼女をプライベートではこう呼んでいる、そのうえでの言葉だった。
「いいよ、じゃあこれからもね」
「はい、宜しくお願いします」
「こちらこそね」
二人で笑顔で話してだった。
池田は彼女と一緒に飲んでいった、二人で飲む酒はこれ以上はないまでもに美味しいものであった。
振られた直後に後輩と 完
2023・3・23
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