夢幻水滸伝

「湾の東部を占領したんや」
「左様ですね」
「東部を完全に掌握し」
「我等の勢力圏とした」
「そうしましたね」
「そして空からもな」
　こちらからもというのだ。
「常にや」
「航空機や空を飛べる者を出し」
「そうしてですね」
「偵察を怠らず」
「攻撃もですね」
「させてる、そしてな」
　そのうえでというのだ。
「まずは湾の入り口の機雷を撤去してや」
「そうしてですね」
「湾内に入り」
「東部に位置する」
「そうしますね」
「例え敵の遊び場でもや」
　そう言っていい場所でもというのだ。
「半分を占領してたらな」
「そこは安全となり」
「拠点にもなりますね」
「そうですね」
「そやから湾に入る前に掌握した」
　湾の東側をというのだ。
「その沿岸部までな」
「安全圏にし」
「そこに拠って戦う」
「その為にですね」
「そして湾の入り口の諸都市も攻略した」
　ジェーンに海兵隊を率いてそうさせた、彼女が率いて戦いメルヴィルが援護するとその諸都市も全てあっさりと陥落した。
「湾は袋の鼠や、確かに海の利はあっちにあるが」
「それでもですね」
「既に東岸を制し」
「入口の諸都市も掌握しました」
「それに制空権もあります」
「そこまで条件を揃えたので」
「攻められる、海の利も手を徹底的に打てば」
　そうしてそれを覆すまでの有利な状況に整えればというのだ。
「勝てる、そやさかいな」
「はい、まずはですね」
「湾の入り口の機雷原を除去し」
「そうしてですね」
「湾に入るで」
　こう言ってだった。
　メルヴィルはまずは機雷原の除去にかかった、すぐに掃海艇を出そうという意見が出たが彼はそれは却下した。
「いや、あかん」
「機雷の撤去には掃海艇ですが」
「それは駄目ですか」
「そうなのですか」
「そや、掃海艇は確かにええが」　
　機雷の除去にとだ、彼は将兵達に話した。
「時間がかかるからな」
「だからですか」
「この度はですか」
「駄目ですか」
「それに掃海艇は攻撃力も防御力も弱い」
　掃海能力に秀でているがだ、そうした能力には乏しい種類の艦艇であるのだ。
「敵はすぐに来るで」
「そうですね、既に艦隊の姿が見えます」
「機雷原の向こうから攻撃しようとしています」
「その意図は明らかです」
「そやからな」
　だからだというのだ。