| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九話 風使その十三

「今は違うわ」
「いいと思われていますね」
「凄くね、ではまた明日ね」
「皆さんで」
「お茶を飲んでね」
 そうしてと言うのだった。
「楽しい時間を過ごすわ」
「ではその時のお話を」
「聞いてくれるわね」
「そうさせて頂きます」 
 牙暁は目を閉じて応えた、そうして二人はそれぞれ深い眠りに入った。
 その次の日も庚は仲間達と茶を飲んだが。
 静かに微笑んでだ、彼等に話した。
「私達はずっと一緒にいられる様にしましょう」
「誰も死なないで」
「ええ、そのうえでね」 
 颯姫にも応えた。
「ずっとよ、楽しい時間を過ごしましょう」
「そうですね、僕達は少なくともお互いは嫌いではないですし」
 遊人も言ってきた。
「お友達ですから」
「そう、だからね」
「これからもですね」
「仲良くしていきましょう、あと三人来るけれど」
「その方々ともですね」
「こうしてよ」
 今行っている様にというのだ。
「楽しい時間を過ごしましょう」
「是非共」
「いいですね、何かです」 
 哪吒もほんの少しだが微笑んで話した。
「こうして皆さんと一緒にいますと」
「暖かいのかしら」
「そして心が弾みます」
「それが楽しいという感情よ」
「そうですね」
「その感情をね。これからはね」
「大切にすることですね」
 紅茶を飲んだ後お茶菓子のクッキーを食べつつ応えた。
「そうすることですね」
「そうよ、そうしたらね」
「僕は人間としてですね」
「生きられる様になるわ」
「感情があるとですね」
「人間のそれがあればね」
 そうであるならというのだ。
「それでなのよ」
「人間になりますね」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「貴方もよ」
「人間になる為に」
「色々な感情を備えていくのよ、けれど」
「僕達はですね」
「その人間を滅ぼすから」
 地の龍故にとだ、庚は自嘲気味に笑って話した。
「考えてみると皮肉ね」
「これは皮肉ですか」
「そうよ」
「そのことも覚えます」
「そうしてね」
「はい」
 庚に素直に答えた。
「そうさせてもらいます」
「それではね」
「はい、それじゃあ」
「人間の心を備えていって」
「人間となりながら」
「地球を救いましょう」
「その人間を滅ぼして」
「そうしましょう」
「人間は命を奪うわ」
 颯姫は無表情で述べた。
「他の生きものの命を」
「そうですね、確かに」
 遊人もそれはと応えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧