夢幻水滸伝
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第二百八十八話 チェサビーク湾入りその七
「そのうえでや」
「城門開けていってな」
「軍事基地とかも攻撃してな」
紗枝は作戦のことも話した。
「そうしてな」
「中から攻めて」
「勝とうな」
「その決定打になるんや」
雅美も言ってきた。
「他ならぬうち等がな」
「そういうことや、最強四天王ここにありや」
まさにとだ、瑠璃子は言った。
「それを見せるで」
「ああ、今こそな」
「私等の実力見せような」
「今ここでな」
グライダーの中で話しそしてだった。
四人それに彼女達が率いる空挺部隊の中でも精鋭の者達はピッツバーグの上空に来るとそこでだった。
機体から出て飛び降りた、そのうえで。
パラシュートを開いた、漆黒のパラシュートは夜の闇に消えて見えなかった。
「よし、いけるな」
「ああ、敵はまだ気付いてへん」
「降下は成功するで」
「確実にな」
四人は眼下の街が穏やかなのを見て話した。
「夜間用の漆黒塗装のグライダーで潜入する」
「グライダーはエンジンないから静かに飛べる」
「それで私等も黒いパラシュート」
「尚且つ音も姿も消してるさかい」
隠密活動を徹底させているからだというのだ。
「そうそうわからん」
「しかもエミリーさんの注意は国木田さんが引き付けてくれてる」
「色々手を打ったし」
「今それが功を奏してるな」
四人で降下する中で話した、そしてだった。
降下したのは町中だった、四人はパラシュートを外しながら自分達と一緒に降下した精鋭達に話した。
「民間人には手を出したらあかんで」
「民間施設にもな」
「あくまで敵軍とその施設だけを狙うんや」
「そうするんやで」
こう命じるのだった。
「そして門を開けるんや」
「あと敵を混乱させる活動もするんや」
「叫んで音も出して」
「中から攪乱もするで」
こう言ってだった。
四人はそれぞれの将兵を率いて敵の部隊や軍事施設それに門に向かい。
活動を開始した、それでだった。
「敵軍だ!」
「敵軍が街の中に侵入したぞ!」
「迎撃しろ!」
「施設や門を守れ!」
「くっ。あの四人か!」
エミリーはその声を聞いてすぐに察した。
「国木田さんに気を取られ過ぎた」
「軍事施設を次々と破壊されています」
「門も開けられています」
「そこからも敵が入ろうとしています」
「どうされますか、ここは」
「またあかん様になった」
苦い顔でだ、エミリーは将兵達に答えた。
「これは」
「そうですか、では」
「撤退ですか」
「そうしますか」
「今回も」
「こうなったらどうにもならん」
敗北が確定しているというのだ。
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