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夢幻水滸伝

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第二百八十七話 二つの切り札その四

「数はこっちの方が多い、艦艇の質もや」
「我等の方が上ですね」
「そうなっていますね」
「ボームがおるさかいな」 
 自分達の勢力にはというのだ。
「そやからな」
「技術革新が進み」
「その結果ですね」
「水軍の艦艇の質もいいですね」
「我が水軍は」
「そや、そやからや」
 水軍の技術レベルが高い故にというのだ。
「二つの切り札もや」
「ありますね」
「左様ですね」
「技術が高い故に」
「そや、例えホーソーンが相手でも勝つで」
 こう話してだった。
 メルヴィルは水軍をフィラデルフィアの港に向かわせた、するとその前に展開していたホーソーンもだ。
 報告を受けてだ、旗艦である戦艦バージニアの艦橋において言った。
「敵の狙いはわかってる、この艦隊や」
「まずはですね」
「この艦隊を叩く」
「それが敵水軍の戦略ですね」
「そして制海権を握ってな」
 そのうえでというのだ。
「運河地帯の防衛ラインもや」
「攻撃しますか」
「そうしますか」
「彼等は」
「そう考えてる、そやからな」
 それ故にというのだ。
「ここはな」
「はい、敵艦隊を迎え撃ち」
「そのうえで、ですね」
「敵艦隊との戦に勝ち」
「制海権を守りますね」
「そうするで、そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「この戦自体にもな」
「勝ちますね」
「そうもしますね」
「そや、敵艦隊に勝ったら逆にや」
 その時はというのだ。
「ええな」
「はい、その時はですね」
「逆にですね」
「攻勢に出ますね」
「バイキングの戦でいくで」
 こう言うのだった。
「ええな」
「敵地に上陸ですね」
「それを行いますね」
「そうしますね」
「ニューヨークにな」
 敵の本拠地であるこの街にというのだ。
「やるで」
「そうされますか」
「艦隊戦に勝たれたら」
「その時はですね」
「そうする、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「そこからさらにや」
「攻めていき」
「そうしてですね」
「戦自体にも勝ちますね」
「そうするで」 
 こう言ってだった。
 ホーソーンは自分が率いる艦隊をメルヴィルの艦隊に向かわせた、そうして運河地帯の沖で対峙した。その彼等を確認してだった。
 メルヴィルは強い声でだ、まずは問うた。 
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