| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百八十五話 好色な助っ人その八

「要注意人物やな」
「わらわの身体には針一本入れとらん」
 碧はまた言い切った。
「それでこれからもじゃ」
「刺青入れませんか」
「それで暴力も振るわん」
「その古武術もですね」
「あくまで武力ですね」
「そうじゃ、護身の術じゃ」 
 瑠璃子達四人にも話した。
「あくまでのう」
「ええ考えですね」
「危険な技やからこそですね」
「みだりに使わへんですね」
「そういうことですね」
「そうじゃ、どっちの世界でもじゃ」
 こちらの世界でも起きた時の世界でもというのだ、碧は二つの世界での自分を全く同じと認識して話した。
「変わらんけえ」
「そのお考えええと思います」
「ほんま暴力はあきません」
「DVとか最低ですし」
「それだけはあきません」
「わらわはDV男もDV女も嫌いじゃ」
 またしても言い切った。
「そやからじゃ」
「それな、暴力振るってイキるとかな」
 メルヴィルはそうした行為に対してこれ以上はないまでの軽蔑を持って話した。
「最悪の屑や」
「そうじゃのう」
「碧ちゃんのその考えは正しい、ただな」
「ただ?どうしたんじゃ」
「碧ちゃん男襲わんな」
 本人にこのことを確認した。
「暴力振るわんってことは」
「いや、式を挙げて結ばれたらのう」
 にまあ、とだ。碧は好色そうな笑みになってメルヴィルに答えた。
「夜わらわから押し倒してもいいじゃろ」
「夫婦やからか」
「肌は婿殿にしか許さんが」
「その旦那さんやとか」
「もうわらわはじゃ」
 好色そうな笑みのまま話していった、口元から涎さえ出ている。
「毎晩でも抱かれたいしじゃ」
「自分からもかいな」
「積極的にじゃ、四十八手にじゃ」
 かなり赤裸々に言った。
「舌も手も胸も足もあるけえ」
「身体全体使うんかい」
「そうじゃ、わらわが欲情したらのう」
「旦那さん押し倒してか」
「貪って楽しんでもらうこともじゃ」
「あるんかいな」
「しかしそうするのは婿殿だけじゃ」
 このことは絶対だというのだ。
「他の誰もせんけえ」
「それでも襲うんやな」
「二人きりならのう」
「そうなんやな」
「その時が楽しみじゃ」
「国木田さんのご主人になる人はよくも悪くも大変ですね」
 ボームは紳士的でダンディに決めているが口元を引きつらせて述べた。
「どうも」
「いや、婿殿の体調はな」
「気を使われますか」
「わらわが滋養のある料理をたんと作ってな」
 そうしてというのだ。
「たらふく食べてもらってじゃ」
「体調を万全にですか」
「いつもしてもらう、あと身体を動かした方がじゃ」 
 どの様にして身体を動かしてかは言うまでもなかった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧