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夢幻水滸伝

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第二百八十四話 アメリカの北端からその六

「まずはオーガスタに行かれて下さい」
「州都にですか」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「あの街の市長さんはお話がわかる人なので」
「その人とお会いして」
「お話をされて」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「あの街からですか」
「勢力を拡大されてはどうでしょうか」
「州都からですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「やはり州都の存在は大きいですね」
「まことに」
「人口は多く」
 そしてというのだ。
「産業も発達し交通もです」
「ええですね」
「ですから」
「まずはですね」
「州都からです」
 そのオーガスタからというのだ。
「勢力を拡大して下さい」
「そうですか、では」
「オーガスタに行かれますね」
「そうします、お世話になりました」
 ヴォネガットは牧師そしてシスターに礼も述べた。
「有り難うございます」
「いえいえ、とんでもない」
「教会のお仕事もしてもらいましたし」
 二人も謙遜して応える。
「こちらこそです」
「これまで有り難うございました」
 こう言ってだった。
 ヴォネガットに感謝の言葉を述べてだった。
 彼にオーガスタまでの道を教えて送り出した、そして互いに手を振って別れた。そうしてであった。
 ヴォネガットはオーガスタに旅立った、教会があった村はこの街と然程離れておらずヒッチハイクで一日でだった。
 着いた、街に向かうトラックに乗ってだったがトラックの運転手は若い男のダックであり彼が降りる時にこんなことを言った。
「いや、星の方を乗せるとは」
「思いませんでしたか」
「はい、普通にですよ」
 運転席から彼に言うのだった。
「目の前におられて驚きました」
「そうでしたか」
「車を停めて」
 ヒッチハイクのそれを見てだ。
「レベルとステータス確認して」
「それで、ですか」
「何だこの人となって」
「私が名乗ってですね」
「尚更驚きました、ですがこれからですね」
「旗揚げしまして」
 勢力をとだ、ヴォネガットは運転手に答えた。
「そうしてです」
「そこからですね」
「このメーン州を統一し」
「あの教団もですか」
「暴れさせません」
「お願いしますよ、俺の家の近所にもあの教団の教会があって」
「揉めごとを起こしていますか」
「はい」
 そうだというのだ。
「ですから」
「あの教団の問題が解決するなら」
「願ったり適ったりです」
「そうなんですね」
「ですからこれからお願いします」
「はい、やらせてもらいます」
 ヴォネガットは運転手に応えてだった。
 その上で彼と別れの挨拶を交えてオーガスタの市庁舎に行ってだった。 
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