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夢幻水滸伝

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第二百八十三話 財団を立ち上げてその一

                第二百八十三話  財団を立ち上げて
 ジェーンはこの世界に来てすぐに声からこの世界とそこにおける自分のことを聞いた、そうしてだった。
 どの様にしてこの世界を救おうかと考えたが一人ではどうにも答えが出ないので今自分がいるプロビデンスを歩いてだった。
 占いの店を見付けたので入ってだ。
 ジャガーマンの老婆の占い師に占ってもらおうとすると。
 占い師は彼女を見たその瞬間に仰天して叫んだ。
「あんた何者だい」
「何者って言われますと」
 ジェーンは自分のことを話した、するとだった。
 老婆は納得してだ、こう言った。
「そうですか、星の方ですか」
「そう言われました」
 ジェーンは老婆に素直に答えた。
「この世界に来てすぐ誰かの声で」
「その声の主も気になりますが」
 占い師の老婆はあらためて言った。
「しかしまさかです」
「ここに僕ちんが来るとは思いませんでした?」
「夢にもですよ」
 こうジェーンに言った。
「本当に」
「いや、今さっきこの世界に来たばかりで」
 ジェーンは老婆の前の客の席に座って答えた。
「何をしてええかわからへんで」
「それで、ですか」
「この街を歩いてまして」
「わしの店に来られましたか」
「はい、それで今からです」
「貴女を占ってですね」
「これからどうすればええか知りたいんです」
 こう老婆に話した。
「僕ちんとしては」
「わかりました、ではです」
 老婆はジェーンの言葉に頷いてだった。
 自分の前、テーブルの上にある水晶玉を覗いた、そうしてだった。
 ジェーンにだ、こう言った。
「街の病院に行かれるといいかと」
「病院ですか」
「はい、ここからすぐそこにある」
 老婆はジェーンに話した。
「総合病院に」
「そこに行けばですか」
「貴女の道があるそうです」
「そうなんですね」
「わしの占いではそう出ています」 
 こうジェーンに話した。
「そうですから」
「わかりました、ほなです」
「病院に行かれますか」
「そうします、占ってくれて有り難うございます」
「はい、それでは」
 老婆はジェーンから占いの代金を受け取った、そのうえで彼女を店の外に案内してそこから見える大きな白いビルを指差して言った。
「あれがです」
「その総合病院ですか」
「そうです、わしの知り合いの山羊人の爺さんが経営してます」
「私立なんですね」
「そうなんです」
 街の公の施設ではないというのだ。
「あの病院は」
「それであっちに行けばですね」
「貴女の運命が開けて」
 そうしてというのだ。
「そこからはその流れに乗って動かれるとです」
「ええんですね」
「そう出ています」
 占いではというのだ。
「ですから今から」
「はい、行ってきます」
「そうして下さい、そしてです」
 老婆はここで切実な声になった、そのうえでジェーンに言った。 
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