夢幻水滸伝
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第二百八十二話 穏やかなビショップその十一
「一気に有利に立つ」
「それが第一の目標ですか」
「この度の戦のな」
「ほな今から」
「速やかにトレントンに二十万の軍勢とな」
「兵器にですね」
「弾薬、燃料もな」
そうしたものもというのだ。
「全てや」
「集めますね」
「そうするで、敵もそっちに戦力を集結させるやろが」
「それでもですね」
「ここは人も雇う」
「人?」
「これから連絡する、日本のお調子モン四人にな」
ここでだ、メルヴィルは。
少し嫌そうな顔になってだ、こう言った。
「碧ちゃんをな」
「ああ、国木田先輩ですか」
その名を聞いてだ、ジェーンも苦笑いになった。それで言うのだった。
「あの人はかなり」
「曲者やろ」
「物凄い男好きですね」
「処女やのにな」
「何でも男の人と手をつないだこともないとか」
「それでもや」
そうした男性遍歴だがというのだ。
「もう何かっていうとやろ」
「婿にならんかのうですね」
「そう言ってきてな」
「迫られますね」
「そうした娘でな」
そしてとだ、メルヴィルはさらに話した。
「傭兵で雇うとな」
「お強いですが」
「難儀や」
「そうですね」
「しかしな」
それでもとだ、メルヴィルは言った。
「ここでや」
「あの人とですね」
「例の四人が来たらな」
それでと言うのだった。
「かなりの戦力になるさかいな」
「それで、ですね」
「雇うわ、そして指揮官としてや」
「活躍してもらいますか」
「是非な、そやからな」
「今からですか」
「碧ちゃんと四人にや」
その両方にというのだ。
「連絡するで」
「わかりました」
ジェーンは頷きボームとヴォネガットもいいことだと賛成した、そうしてメルヴィルは碧それに日本の奈良にいる瑠璃子達四人にだった。
連絡をした、すると五人共都合がついてだった。
「来てくれるそうや、今からな」
「それは何よりですね」
ヴォネガットが応えた。
「優れた指揮官が五人も来てくれますね」
「ああ、それでや」
「二十万の兵で、ですね」
「戦うわ」
「そうされますね」
「碧ちゃんの話は聞いてる」
メルヴィルは真顔で言った。
「戦になれば采配もええが」
「ご自身の戦闘力もですか」
「かなりのもんでな」
それでというのだ。
「戦場で縦横無尽に暴れ回ってや」
「戦われますか」
「そうらしい、そやからな」
「戦力としてですね」
「期待出来るわ」
そうだというのだ。
「ほんまにな」
「そうですね」
「これでさらに有利になれる」
メルヴィルはこうも言った。
「指揮官の質でもな」
「そうですね、それは何よりです」
「ほんまにな、ほな五人が来てからや」
「戦ですね」
「それまでに準備を整えておくで」
「わかりました」
「それでや」
ここでだ、メルヴィルは一呼吸置いてだった。
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