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夢幻水滸伝

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第二百八十二話 穏やかなビショップその五

「アメリカ全体で」
「そうした状況やからな」 
 それ故にというのだ。
「宗教のこともや」
「しっかりしていきたいですね」
「政としてな」
 メルヴィルは強い声で述べた。
「ほんまに」
「そういうことですね」
「そやからヴォネガットにはや」
 その彼を見つつボームに話した。
「宗教のことはな」
「何かあればですね」
「ビショップ、聖職者でな」
「宗教の専門家であるので」
「やってもらう、まあビショップでもな」
 この職業でもというのだ。
「この世界では政にも関われるし」
「聖職者ではありますが」
「僧侶でもな」
「あれですよ、僕ちんも道士で」
 ジェーンがここでまた言ってきた。
「聖職者ですが」
「特定の宗教に肩入れせんとな」
「自分が信仰している宗教に」
「それやとええしな」
「そうですさかい」 
 それでというのだ。
「別にです」
「聖職者が政に関わってもな」
「ええですね」
「しかし政としてはな」
「少なくともアメリカではですね」
「ああ、特定の宗教が入ることはな」 
 政にというのだ。
「ない様にするで」
「政として」
「そうしてくで」
「ほなその様に」
「やってこな」 
 こう話してだった。
 実際にヴォネガットには宗教政策についても担ってもらうことにした、そのうえで掌握した諸州の統治とだった。
 ペンシルバニア州のエミリーに対することにした、こちらはいよいよ本格的なものになってきていたが。
 この世界のアメリカの地図浮島まで出ている立体的なものを開いてだった、メルヴィルは仲間達に話した。
「いよいよエミリーちゃんと対するが」
「いや、隙を見せるとです」
 ボームが言ってきた。
「何時攻められるか」
「わからんかったな」
「そうでした、ですがワテクシ達が隙を見せなかったので」 
 会議室のテーブルの上に開かれた地図を見つつ話した。
「他の州にです」
「勢力を拡大していったな」
「オハイオ州やウエストバージニア州に」
「そうしていったな」
「それでその分強くなっていますが」
「そやな、ニューヨーク州とかとの国境は広いがな」
「ワテクシ達はその守りを固めていましたので」
 その為にというのだ。
「エミリーさんはその様にしました」
「そやな、それでバージニアのホーソーンともや」
「手を結びです」
「一緒にやってるな」
「それでワテクシ達に対していますが」
「一旦話をするが」 
 メルヴィルはここでもそれを第一とした。
「しかしな」
「それが不首尾に終われば」
「戦や、その用意をや」
 まさにそれをというのだ。 
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