夢幻水滸伝
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第二百八十話 マサチューセッツ州の伊達男その十六
「周囲の州を囲み」
「そこから攻めてくるのでは」
「やがては」
「我々はそうした危惧を抱いていますが」
「ボーム様はどうでしょうか」
「そうですね、勢力を拡大させ」
ボームは落ち着いた声で述べた。
「それと共にです」
「やはりそうですか」
「我々に圧迫をかけ」
「やがてはですね」
「攻め込んできますね」
「ここで対応を誤りますと」
そうすればとだ、ボームは話した。
「実際にです」
「メルヴィル様は攻めて来られますか」
「そうされてきますか」
「そうなのですね」
「やはりそうなりますね」
「はい、ですがワテクシは悲観していません」
現状はというのだ。
「そもそも覇権を求めていませんし」
「このマサチューセッツ州は統一されましたが」
「それでもですか」
「覇権は求めらおられませんか」
「そうなのですか」
「はい、州の統一は州を平和にし」
そしてというのだ。
「豊かに発展させる為に進め果たしましたが」
「そこからはですか」
「勢力を拡大させませんでしたが」
「内政に専念されましたが」
「覇権を求めないことからも来ていたのですね」
「そうです、そしてワテクシはメルヴィル君を知っています」
他ならぬ彼のことをというのだ。
「起きた世界では友人同士でもあります」
「そうなのですか」
「では、ですか」
「あの方との衝突は、ですか」
「求めておられませんか」
「はい」
実際にとだ、ボームは答えた。
「左様です」
「そうなのですね」
「今あの方はマサチューセッツ州周辺の諸州にも勢力を拡大され」
「掌握も進めておられますが」
「それでもですか」
「ボーム様としてはですか」
「彼がよければ」
メルヴィルがというのだ。
「共にやっていきたいです」
「協調ですか」
「対立ではなく」
「そちらを求めておられますか」
「はい、是非」
こう言ってだった。
ボームは周辺のことは今は置いておいてだった。
内政に専念しやがてだった。
メルヴィルとの会談の話が出て決まりそれが進んでだった。
ここでだ、彼は会談に赴く前に周りに笑顔で話した。
「会談は成功しますよ」
「そうですか」
「それでこれからはですか」
「メルヴィル様とですね」
「世界を救っていきます、皆さんもです」
笑顔のまま話した。
「これからもですか」
「平和で豊かにですか」
「過ごせるのですか」
「マサチューセッツ州の誰もが」
「そうです、科学の研究もです」
そちらもというのだ。
「このままです」
「出来るのですね」
「軌道に乗ってきましたが」
「そちらもですね」
「そうです」
こう言うのだった。
「ご安心下さい」
「それは何よりです」
「では、ですか」
「それを決める為にですか」
「これからですか」
「会談に赴きます」
この言葉を出してだった。
そしてだ、ここであらためて恰好いいポーズを付けて言った。
「そしてこの時こそです」
「格好良くされるのですね」
「ダンディにいく」
「左様ですね」
「そうです」
笑顔で言うのだった、そうしてだった。
ボームはメルヴィルとの会談に赴いた、そのうえで正式に彼と共に歩むことにした。マサチューセッツ州を統一した彼はそうしたのだった。
第二百八十話 完
2022・11・1
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