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夢幻水滸伝

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第二百八十話 マサチューセッツ州の伊達男その一

                第二百八十話  マサチューセッツ州の伊達男
 この世界に来てすぐにだった。
 ダンディ=ボームは声から全ての説明を聞いた、そのうえでどう動くべきか考えた。それでだった。
 喫茶店に入ってだ、マスターに自分のことを話した。すると天使族のマスターは考える顔になって話した。
「まさかです」
「星の人がこのお店に来るとはですか」
「思いも寄らなかったので」
 それでというのだ。
「正直何と言っていいか」
「わからないですか」
「はい」 
 そうだというのだ。
「本当に、ですが貴方は科学者ですね」
「そうです」
 その通りだというのだ。
「ワテクシは」
「では大学に行かれては」
「大学?」
「この州にはマサチューセッツ工科大学があります」
「はい、有名な大学ですね」 
 その大学の名前を聞いてだ、ボームはコーヒーを飲みつつ応えた。アメリカンでありその隣にはパンケーキがある。
「ワテクシの起きた世界でも」
「そうですね」
「その大学にですか」
「行かれて」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「勢力を築くべきですか」
「そうされてはどうでしょうか」
「そうですね、この州は何かと学問が盛んですし」
 ボームはパンケーキにシロップをかけつつ応えた、かなりの量をそうした。
「そして学問もまたです」
「お力になりますね」
「はい」 
 マスターに答えた。
「ほんまに」
「そうですね、ですから」
「あの大学にですか」
「行かれて」
 そうしてというのだ。
「協力を仰がれては」
「それがええですか」
「私としてはそう思います」
 ボームにカウンターから話した、見れば店内の他の客達も二人の話を実に興味深そうに聞いている。
「まずは」
「そうですね」
 腕を組んで考える顔になってだ、ボームは答えた。
「ほなです」
「そうされますか」
「一度行ってみます」
 そのマサチューセッツ工科大学にというのだ。
「そうします、ただ」
「ただ?」
「今ワテクシは起きた世界の出身地でもあるボストンにいます」
 このことをだ、ボームは自分から話した。
「州都でもある」
「はい、いい街ですね」
「その様ですね、そのです」
 ボームはさらに話した。
「ボストンの掌握もです」
「進められますか」
「そうしたいです」
 こうマスターに話した。
「工科大学にも行きたいですが」
「それと共にですね」
「あとです」
 ボームはここでだった。
 気障な感じで笑ってだ、こうも言った。 
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