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妹を助けたら姉から

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第三章

「私も一緒なら」
「大丈夫ですか」
「はい、姉がいれば」 
 そうである自分がというのだ。
「いいですよね」
「そうですね」
「じゃあ三人でいて」
「そうしてですね」
「瑠璃子と遊んであげて下さい」
「わかりました」
 庇はそれならと応えた、そうしてだった。
 望を入れて三人で瑠璃子と遊ぶ様になった、それは彼に時間がある時は頻繁であり。
 何時しかだ、庇は望とも一緒にいてだった。
 彼女の穏やかで優しい性格そして美味しい料理をよく振舞ってもらってだ。
 彼女を好きになった、それで年上の彼女に告白した。
「あの、よかったら」
「私とですか」
「駄目ですか?」
「おばさんだけれどいいですか?」 
 二十四で庇から見て四つ年上としての言葉だった。
「それでも」
「お願いします」
 これが庇の返事だった。
「僕でよかったら」
「そうですか、そう言ってくれるなら」
「お願いします」
「あの娘を助けてくれる様な人です」
 望は妹のことを思いつつ話した。
「逆に警察に通報されるかも知れないのに」
「あの時ですか」
「最近は子供の傍に寄って声をかけるだけで通報されますね」
「そうしたご時世ですね」
「それでも最善の方法で警察に連絡してくれて」
「無事に保護される様にしてくれたからですか」
「そこまで気が付いて勇気があって頭が回る人なら」
 それならというのだ。
「何よりも困っている小さな子を見捨てない」
「だからですか」
「私も好きです、これからはあの娘のお友達で」
 そしてというのだ。
「私の大切な人としてお願いします」
「わかりました」
 笑顔で応えた、そうしてだった。
 望との交際に入った、そのうえでだった。
 望とは深く愛し合う様になった、やがて二人はそれぞれ仕事を持ち就職して結婚した。そのうえで生まれた男の子は瑠璃子からは弟と言われ二人はにこりとなった。


妹を助けたら姉から   完


                  2023・1・22 
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