| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

妹を助けたら姉から

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

「あの人よ」
「あの人に助けてもらったのね」
 二人で庇を見てこんな話をしていた。
「そうなのね」
「うん、そうなの」
「わかったわ、あの」 
 女性は少女の話を聞いてだった。
 公園の出入り口の前を通った庇にだ、自分から声をかけた。
「あの」
「あの?」
「はい、いいでしょうか」 
 庇に言ってきた。
「お話があるんですが」
「僕にですか」
「この娘のことで」
「あれっ、君は」
「お兄ちゃん久し振り」
 笑顔でだ、少女は庇に右手を振って挨拶をしてきた。
「あの時は有り難う」
「須崎望といいます」
 女性は自分から名乗った。
「この娘の姉です」
「瑠璃子っていうの」
 少女も名乗った。
「この前こっちに引っ越してきたの」
「歳は離れてますが」
 それでもというのだ。
「姉妹でして」
「そうですか」
「両親と一緒にこっちに暮らしています」
 こう庇に話した。
「両親の仕事の関係でこっちに引っ越してきまして」
「お姉ちゃんも働いてるの」
 妹も言ってきた。
「お仕事はライターさんよ」
「まああまり売れてないですが」
「そうですか」
「はい、妹を助けてくれて有り難うございます」
 庇に頭を下げて礼を述べた。
「それでお礼に何かご馳走しますが」
「いえ、いいですよ」
「そう言わずに」
 笑顔で言ってだった。
 望は庇を瑠璃子と共に自宅に連れて行った、自宅は何と庇の家のすぐ近くで庇はこのことに驚いたが。
 望は彼に手料理をご馳走した、それはかなり美味くしかもだ。 
 一緒にカレーを食べている瑠璃子が彼に言ってきた。
「お兄ちゃん今度一緒に遊ぼう」
「それは」 
 小さな女の子と一緒に遊ぶと通報される、そう思ったが。
 望がここでにこりと笑って言ってきた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧