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夢幻水滸伝

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第二百七十七話 ニューヨーク州統一その十二

「そうなりますと」
「そうなるとや」
「ボーム様、スノー様もですか」
「劣勢を感じてな」
「戦っても勝てない」
「わしの仲間にや」 
 それにというのだ。
「戦わずに入る」
「そう判断されますか」
「そうなる筈や、特にボームは怒ったら怖いが」 
 彼はというのだ。
「基本理知的で穏やかや」
「そうした方ですか」
「名前の通りダンディズムにこだわっててな」
 ダンディ=ボームの名前通りにというのだ。
「それでや」
「戦は、ですか」
「避けられん戦はする主義やが」
 それでもというのだ。
「別にそうでないとな」
「されないですか」
「そうした奴や、それにや」
 メルヴィルはここでレモンティーを飲んだ、それで喉を潤してからそのうえで市長に対してさらに話した。
「あいつの頭脳は欲しい」
「科学者としての」
「それがあったらな」
「勢力の技術力もですか」
「上がる、ただ軍事においての科学力だけやなくてな」
「生活においてもですね」
「そや、全般のや」
 まさにというのだ。
「科学力をや」
「上げられますか」
「その分生活水準が上がってや」 
 そうなってというのだ。
「そしてや」
「豊かになりますね」
「そうなるさかいな」
 だからだというのだ。
「あいつはな」
「お仲間にされたいですか」
「勿論エミリーちゃんもな、アサシンやからな」 
 彼女はこの職業にあるからだというのだ。
「戦も出来るが諜報にや」
「秀でておられますね」
「忍者系の職業やからな」
「そうした職業にありますと」
「そや、自分は元々薬剤師やったな」
「はい」 
 市長はその通りだと答えた。
「ですから衛生には自信があります」
「そやな、あと薬のことはな」
「左様です」
「それぞれの職業の長所があってな」
「忍者系の職業は、ですね」
「暗殺とか諜報とかが得意でな」
 それでと話すのだった。
「隠密行動もや」
「お得意ですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「諜報能力が上がるさかい」
「スノー様もですね」
「仲間に欲しいわ」
 心からの言葉だった。
「是非な」
「そうお考えですね」
「そや、しかし二人共州の掌握がわしよりかなり遅れたんは」
「やはりそのご武名がです」
 これがとだ、市長はメルヴィルの疑問に答えた。
「六将星であられるメルヴィル様よりです」
「低いか」
「はい」 
 それにというのだ。
「戦わずして勝つことが最善ですね」
「戦はな」
 メルヴィルはその通りだと答えた。 
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