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真似と開閉と世界旅行

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明かされた事実〜

 
前書き
あっはは・・・やっちゃったぜ(笑)ではどうぞ! 

 
俺達は一心不乱に安全エリアまで駆け抜けた。・・・そして座り込むとお互いに笑いだす。

「あはは、やー、逃げた逃げた!」

「・・・三人揃って人を置いてきやがって」

「敏捷度上げなかったお前が悪い」

「・・・」

俺が言うと咲は俯く。

「こんなに一生懸命走ったの久しぶりだよ。まぁ、わたしよりもキリト君の方が凄かったけどね!」

「確かに。兄貴が一番速かったよね」

「・・・」

俺達はそこで真面目にさっきのモンスター・・・グリームアイズについて考察する。

「武器は大型剣・・・だけだったよね・・・てことは特殊攻撃あるよな・・・」

「前衛に重装備集めるっきゃないな。全力防御なら死ぬ可能性も低いだろ」


「盾装備の奴が十人は欲しいな・・・まあ、当面は少しずつちょっかい出して傾向と対策って奴を練るしかなさそうだ」

「盾装備、ねえ」

キリトの言葉にアスナが反応し、キリトを見る。


「な、なんだよ」

「君、なんか隠してるでしょ」

「いきなり何を・・・」

「だっておかしいもの。普通、片手剣の最大のメリットって盾持てることじゃない。でもキリト君が盾持ってるとこ見たことない。わたしの場合は細剣のスピードが落ちるからだし、スタイル優先で持たないって人もいるけど、君の場合はどっちでもないよね。・・・あやしいなぁ」

・・・確かにキリトは盾を装備しない“理由”がある。アスナはそこで追求を止めて、お昼にしようと言い出した。


「て、手作りですか」

「兄貴。・・・意地汚い」

「う・・・」

アスナは大きな紙包みをキリトと・・・俺達に渡してきた。

「へ?俺達の分も?」

「多めに作ってきたから、遠慮しなくていいよ」

「さっすがアスナ。いっただきまーす」

紙包みを開くと、中にはパンをスライスして焼いた肉や野菜を挟み込んだハンバーガーのようなサンドイッチが入っていた。


「(・・・流石料理スキルをマスターした人だよ・・・)」

一口かじると・・・懐かしい味がした。

「う・・・うまい・・・」

キリトもそう言いながら更にかぶり付く。・・・あれだ、ランランルーなファーストフード点の奴と似た味だ。


「・・・アスナ、どうやってここまで再現を・・・」


俺が聞くとアスナは自信満々に答える。

「一年の修行と研鑽の結果よ。アインクラッドで手に入る約百種類の調味料が味覚再生エンジンに与えるパラメータをぜ~~~んぶ解析して、これを作ったの」

「おぉ・・・」

話を聞くにアスナはソース、マヨネーズ、醤油まで“もどき”を作り出していた。キリトはそれをべた褒めしてアスナを照れさせたりして・・・咲に睨まれていたりした。




「・・・っ、誰か来る」

俺達は身構えるが・・・現れた人影は見慣れた人物だった。

「おお、キリト、コウハ!しばらくだな」

「まだ生きてたか、クライン」

「元気そうで何よりだよ」

「相変わらず兄弟で態度がちげぇよなぁ・・・お、珍しく連れがいるの・・・か・・・」

俺と同じくカタナ使いのクラインは背後にいた咲とアスナを見て固まった。

「あー・・・っと、ボス戦で顔は合わせてるだろうけど、一応紹介するよ。こいつはギルド《風林火山》のクライン。こっちは《血盟騎士団》のアスナ・・・とサキだ」

「人をオマケみたいに・・・」

クラインはフリーズから解けると同時に必要ない自己紹介(年齢込み)をして、風林火山の面々もアスナに近寄り自己紹介・・・の前に咲に睨まれ一歩下がる。

「ま、まあ悪い人では・・・ないよね?」

「ああ、リーダーの顔はともかくな」

そんな事を言ったキリトの足をクラインは踏みつける。・・・まあ、色々アスナがキリトとパーティー組むだのなんだの言ってクラインが噴火しかけたり・・・そんな時だった。

「キリト君、《軍》よ!」

すると二列縦隊の重装軍団が現れた。先頭にいた男が“休め”と言うと残りの十一人は倒れるように座り込む。・・・誰だ、こいつ。

「私はアインクラッド解放軍所属、コーバッツ中佐だ」

「は・・・」

まさか、《軍》は揶揄的につけた呼称だったのだが・・・何時からか正式名称になってたようだ。しかも中佐だ。・・・思わず笑いそうになってしまう。

「君らはもうこの先も攻略しているのか」

「・・・ああ。ボス部屋の手前まではマッピングしてある」

「うむ。ではそのマップデータを提供して貰いたい」



・・・キリトの言葉にラグなしでコーバッツはそう言った。それにはクラインが真っ先に反応した。

「な・・・て・・・提供しろだと!?手前ェ、マッピングする苦労が解って言ってんのか!?」

マップデータはかなり高額で取引されている。何があるのか知っていると知らないのでは生存率が段違いだからだ。

「我々は君ら一般プレイヤーの解放の為に戦っている!諸君が協力するのは当然の義務である!」

「・・・だったら普段から攻略しろよな・・・(ボソッ)」

咲がコーバッツに聞こえないように呟く。爆発しそうになったアスナとクラインをキリトが抑え、結局マップデータを渡した。


「協力感謝する」

「ボスにちょっかい出すならやめといた方がいいぜ」

「・・・それは私が判断する」

・・・キリトの忠告を聞かない気か。

「あに・・・キリトの言うとおり、ありゃヤバイよ。それに・・・仲間も疲れてるじゃないか」

この世界に肉体的疲労はなくても、精神的疲労はある。・・・軍の面々は全員疲れはてていた。

「・・・私の部下はこの程度で音を上げるような軟弱者ではない!」

「うわ・・・バカだこいつ」

「貴様らさっさと立て!」

文句の一つも言いたいだろうに、兵達はのろのろと立ち上がる。そして再び規則正しく前進していく。

「・・・大丈夫かよあの連中・・・」

「いくらなんでもぶっつけ本番でボスに挑んだりしないと思うけど・・・」

クラインとアスナは軍の事が心配なようだ。
・・・まあ、確かにあの勢いじゃなあ・・・

「・・・一応様子だけでも見に行くか・・・?」

キリトがそう言うと全員頷く。キリトは苦笑しながら装備を整え歩き出す。

「あー、そのぉ、アスナさん。ええっとですな・・・アイツの、キリトのこと、よろしく頼んます。口下手で、無愛想で、戦闘マニアのバカタレですが」

「あ、うん。弟からも頼むよ。兄貴にもしっかりした人がいないとねー・・・ぐぇっ」

勢い良く戻ってきたキリトにコートを引っ張られる。

「な、何を言っとるんだお前らは!」

「だって・・・」

「・・・なあ?」

全員がにやにやと笑い、キリトはそのまま口をひん曲げて歩き出す。・・・アスナは俺達に任されました、と言って歩き始める。
























































「・・・く・・・」

運悪くリザードマンの集団に遭遇してしまい、結局俺達(風林火山のメンバーを含め)十人が最上部に到着した時には既に三十分が経過していた。・・・その時だ。

「あぁぁぁぁぁ・・・」

悲鳴だ。俺と咲が一足早くスタートを切るが、あっさり咲はキリトとアスナに抜かされ、三人が先行する形になった。・・・そして、先程見た扉が開いているのを見て・・・

「バカッ・・・!」

アスナが悲痛な叫びを上げ、更に速度を上げる。俺達はシステムアシストギリギリの速度で走り、扉の前で火花を散らしながらブレーキをかける。・・・ブーツの耐久値がかなり削れただろうが、気にしてはいられない。

「おい!大丈夫か!」

キリトが叫びながら半身を乗り入れる。内部は・・・地獄だった。グリームアイズは巨剣を振り回していた。そのHPはまったく減っていない。その向こうで必死に逃げる小人・・・軍だ。・・・数は、さっきより二人足りない。そして一人が巨剣に凪ぎ払われ、HPが危険域に到達した。

「何をしている!早く転移アイテムを使え!!」

キリトの叫びが聞こえてこちらを見るが・・・


「だめだ・・・!く・・・クリスタルが使えない!!」

「な・・・」

まさか・・・“結晶無効化空間”!?迷宮区なら稀に存在するが・・・まさか、ボス部屋にまで・・・

「くそ・・・肝心な時に使えないな・・・畜生!」

思わず悪態をつく。

「何を言うか・・・ッ!!我々解放軍に撤退の二文字はあり得ない!!戦え!!戦うんだ!!」


「バカ野郎!とっとと逃げろ!」


「全員・・・突撃・・・!」

「やめろ・・・っ!!」

叫びは届かず・・・無謀な攻撃は蹴散らされた。当たり前だ。味方にソードスキルが当たりそうでろくに使えない。だが相手は一体でしかも巨剣・・・すぐに誰かが俺達の目の前に弾き飛ばされた。・・・コーバッツだ。HPバーは・・・存在していない。


ーーーあり得ない

そう口を開き・・・コーバッツは消滅した。当然リーダーを失った団体は脆い。全員逃げ惑い、攻撃を受けていく。

「だめ・・・だめよ・・・もう」

・・・アスナの声が聞こえた。

隣にいたキリトは目を見開き、止めようとするが・・・遅かった。

「だめーーーーッ!!」

「アスナッ!」


グリームアイズに一撃を浴びせ、注意を自身に向けさせる。

「兄貴っ!」

「分かってる!」

俺達も突っ込もうとした時・・・何かが横切った。

「ラァァァァッ!!」

咲だ。咲はグリームアイズに向かって方天画戟を振るが・・・

ガキャアン!

「っ・・・」

グリームアイズに弾かれ、構えを崩される。すぐに二撃目が咲を・・・

『・・・しょうがないわね!!』

詠が具現化し、剣を構え、防御しようとするが・・・

ガァァァン!

「きゃあああっ!?」

「うわあああ!?」

詠は弾き飛ばされ、背後の咲と共に吹き飛ぶ。

「サキっ!?」

「詠っ!」

「くっ・・・詠、大丈夫か!?」

「ええ・・・咲、無理よ、貴方じゃ・・・」

そのタイミングでクライン達も追い付き、戦闘に参加してくる。・・・やるしかない!





「・・・ここまでか・・・」

咲が呟き、立ち上がる。


『まさか・・・咲さん・・・』

「ああ・・・出し惜しみなんてできない・・・出来ることなら・・・隠し通したかったけど」

「・・・いいのね?」

「悩んでる暇はない。リパル!防具を可能な限り解除!そしてモードチェンジ、モード《ダークリパルサー》!」

『・・・了解ッス!』

「え・・・?」


咲がマントや鎧・・・更にコートの類いまで全て装備を解除し、質素なシャツと黒いズボンだけになり・・・方天画戟が黒の混じった白い剣に変形する。

「あの剣は・・・!?」

キリトがグリームアイズの一撃をかわし、唖然とする。・・・いや、何より・・・男ではあり得ない・・・胸元の膨らみがある・・・え?

『・・・完了ッス』

「・・・ああ。久々に・・・行くぜ!」

再びアスナに一撃が迫る。・・・今度は俺もキリトも間に合わない・・・!

「下がって、お姉ちゃん!」

・・・いや、咲だ。咲がさっきとは比べ物にならないスピードでアスナを突き飛ばし、更に一撃もかわす。

「サキ・・・あなた・・・」

「・・・お姉ちゃん、ごめん。“わたし”は・・・もう隠せない。力を出さないで・・・目の前で人が死ぬのは嫌だから!」


咲は飛び上がり、グリームアイズの攻撃を避けながら突撃する。

「はぁっ!」

あのスピードはアスナにも劣らない。咲は顔を斬りつけ、更にグリームアイズにある蛇の尻尾を使って斜め下に落下しながら胴体を着る。

「そっ・・・らぁ!」

そして着地と同時に身を翻し、股下を潜り抜けるように足を斬る。

「すげ・・・」

だが、それでも足らない。・・・俺はキリトを見る。少しの攻防だけで俺達のHPバーも半分近く削られている。


「・・・ああ。十秒だけ・・・頼めるか?」

「・・・お任せ!」

俺はグリームアイズに向かって走る。

「咲!アスナ!クライン!十秒だけ持ちこたえるよ!」

グリームアイズの横薙ぎが迫る。俺は迷切を真上に投げ、スライディングして潜り抜け・・・擬音を掴む。

「・・・っ!」


曲刀ソードスキル《アッパースラッシュ》を使って飛び上がりながら擬音を手放し、迷切を左手に持ち、素早くクイックチェンジ・・・!そのまま一回転して一気に振り下ろす。

「《龍舞斬》!」

ズシャア!

落ちてきた擬音を手に取り、背後に跳ぶ。アスナ達もスキルで注意を惹き付け・・・


「いいぞ!!」

キリトの声を聞いて俺達は撤退する。

「イヤァァァ!!」

アスナの全力の突きがグリームアイズの一撃と弾き合う。

「スイッチ!!」

仰け反ったアスナの前にキリトが割り込み・・・背に新たに装備していた剣を掴み、“二刀”でソードスキルを発動する。しかもその剣は咲のと同じ形状だった。キリトはそのまま・・・全てを放出する。

「スターバースト・・・ストリーム・・・!!」

キリトは舞うように左右の剣を振り、突き、押していく。

「うおぉあああ!!」

更に加速。そのスピードは止まらない。

「・・・ぁぁぁあああああ!!」

そして・・・最後の一撃と思わしき十六撃目・・・それはグリームアイズの胸の中央を貫いた。

「ゴァァァアアアア!!」

グリームアイズが一際強く雄叫びを上げ・・・青い欠片となって、散った。

「・・・終わった・・・?」


キリトは剣を納め・・・倒れた。

「キリト君っ!」

アスナがキリトに駆け寄る。・・・あっちは任せるとして・・・

「・・・さて、と・・・」

俺は咲を見る。咲は俺を見るなりバツが悪そうに目を逸らし、頬を掻く。


「・・・色々聞きたいけど・・・場所を変える?」

「・・・ああ。そうしてくれ」

意識を取り戻したキリトに一言伝え、次の層の転移門のアクティベートはクラインに任せ・・・

「・・・どうする?俺の家に・・・」

「いや、亞莎にも聞いてもらった方がいいだろ?てなわけで俺の家に行くぞ」

俺達は自宅に戻り・・・






























「・・・」

遅い。詠が咲を奧に連れていってからかなり経過していた。

「・・・ほら!諦めて早く出なさい!」

「だ、だけど・・・」

『もう覚悟を決めた方がいいッスよ・・・』

「うう〜・・・」

詠に引っ張られて出てきたのは・・・

「・・・誰?」

髪はアスナと同じ色で、腰までスラリと伸びている。服装はピンク基準のシャツとスカート。・・・顔を赤くして俯くのは・・・

「・・・俺だよ」

・・・親友だった。


「ほ、本当に咲さん・・・ですか?」

亞莎も同様が隠せずに唖然としていた。

「・・・まあ、ね」

咲がソファに座る。

「じゃあ、話すか。まず始めに・・・この世界の俺は・・・女だ」

「・・・」

「それでお姉ちゃん・・・アスナの妹なんだよ。しかも名前もサキはサキでも・・・早いに貴族の貴で早貴(サキ)だ」

「・・・」

完全に唖然。アスナの・・・妹?女?

「んで・・・男装してた理由だけど・・・色々ある」

「・・・た、例えば?」


「実は・・・記憶同士の激突と言うか・・・二重人格って程じゃないんだけどな・・・」


「・・・ようは五十嵐 咲と結城 早貴の人格が上手く合わなかったのよ」

名字、結城だったのか。・・・て、合わなかった?

「そのせいで記憶が戻ってもしばらくは五十嵐 咲の人格じゃなかったのよ」


「・・・俺自身は頭がおかしくなったんじゃないかってスルーしててな・・・お姉ちゃんと同じステータスにしてたんだよ」

『それでオイラ達をドロップした時に、ようやく人格が安定したッス』

「つっても言うほど安定はしてなかったからな・・・色々やって“俺”を保つ方法を見つけたんだ」

「・・・それは?」

「思い込むこと」

「・・・は?」


「そこで男装なんだよ。今までと同じ服装をすれば・・・ってな」

「そうしたら驚きよ。あっさりと人格を固定出来たんだから」

「そうですか・・・」


「他には女二人組じゃなにかと危ないし、変な虫がついたら追い払えるし・・・な」

「・・・この事を知ってるのは?」

「お姉ちゃんと団長・・・ヒースクリフと・・・リズかな」

「あとはボク達位よ」

「そっか・・・」

「最初は困ったよ。敏捷度よりのステータス振りでさぁ・・・方天画戟も持てなかったんだぜ?今だってギリギリの筋力だし・・・正直そこから筋力に振ったら中途半端なステータスになるから・・・敏捷度にあえて振り続けたのさ」

「あんなに厚着してたのも・・・」

「女の体系を隠す為かな・・・お陰でスピードがた落ちでさ・・・今までの経験と努力で何とかやって来たんだよ」

・・・そこで俺は聞いてみた。

「・・・何で女なんだろうな」

「知るかよ・・・今度紫に会ったら小一時間問い詰めたいよ」

「はは・・・」

「はあ・・・明日からどうしよ」

「え?何でさ」

「・・・あんだけ人がいたんだ。嫌な噂の絶えない“漆黒”が女で、しかも“閃光”の妹・・・なんて知られたら・・・明日には情報がアインクラッド中を駆け抜けるだろうよ」


「わあ・・・大変だな」

「お前の兄貴もな」

「あ・・・」

咲は足を組んで聞いてくる。

「今度はこっちが聞こうか。あのスキルは・・・何だ?」

・・・隠さなくてもいいかな。

「・・・エクストラスキルだよ。《二刀流》」

「そんなスキルが・・・」

「条件もわからないし・・・こんな世界だと何言われるか解らないからね。兄貴も隠したかったんだよ」

「・・・なるほどな。ま、人のこと言えないから何も言わねぇけど」

そこで俺は閃く。

「なるほどねぇ・・・お前が兄貴を嫌う理由は・・・アスナが取られるかもしれないからか?」

「なっ・・・ち、違う!ただアイツは・・・!」

『咲さん・・・慌てすぎッス・・・』

「・・・う、うるさい!」

「あはは・・・」

亞莎は最早笑うことしか出来ないようだ。

「じゃ、じゃあ・・・ここまでにしようぜ」

咲は立ち上がる。

「帰るのか?」

「ああ・・・」

咲は・・・サチがいる部屋を見る。

「・・・変わらないのか?」

「・・・ああ。サチは・・・ずっと・・・」

「・・・大丈夫。人の心は強い・・・だろ?」

「・・・ああ。必ず、必ず現実に返してあげないと・・・」

俺は咲と詠を見送り、家に戻る。

「・・・驚きましたね」

「まったくだよ・・・色々有りすぎて頭痛くなってきた・・・」

「そうですね・・・まさか咲さんが女性になってるなんて・・・」

「アスナそっくりだったよなぁ」

「はい・・・」

取りあえず今日は休もう。・・・明日はどうなることやら・・・ 
 

 
後書き
早貴
「・・・な、名前が・・・てか身体が・・・」

リズ
「あーらら。バレちゃったわね」

早貴
「むー・・・わたしにとっては笑い事じゃないんだよ?」

リズ
「まあいいじゃない。吐き出して楽になったんだから」

早貴
「亮に知られるのは嫌だったよ・・・さっき笑われたもん」

リズ
「ま、諦めなさい。この後も散々弄られるでしょうし」

早貴
「他人事だと思って・・・」

リズ
「はいはい。それじゃ、また次回もよろしく!」

 
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