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いきなりビンタされ

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第二章

 美佑は話を聞いて二人の向かい側にいる女性に話した。
「ええと、宇野愛美さんで」
「OLさんですか」
 健介も言った。
「それで彼氏さんは職場の同僚さんで」
「その人が頼朝さんですか」
「はい、お二人が暮らしておられるアパートに一人暮らしで」
 愛美は今は冷静になり申し訳ないといった面持ちで話した。
「浮気をしている様で」
「今日は休日なので突撃して」
「浮気相手と一緒にいるかどうかですか」
「確認したら貴女が出て来て」
 美佑を見て話した。
「つい浮気相手と思いまして」
「それで、なんですね」
「つい。よく見たら彼の部屋は隣でした」
「それはまた」
 美佑は自分が注文したコーヒーには手をつけず応えた。
「部屋を間違えたんですか」
「すいません、本当に」
「いえ、別にいいです」 
 美佑はひっぱたかれたことはいいとした。
「間違いは誰にもありますから」
「そう言ってくれますか」
「ただ。いきなり暴力はです」
 これはと言うのだった。
「よくないですから」
「以後気をつけます」
「そうして下さい、あのお詫びも」
「いいですから、別に怪我もしていないですし」
 ひっぱたかれ痛い思いをしたがというのだ。
「ですから」
「すいません、それでは」
「はい、これで」
 話は何でもなく終わった、そしてだった。
 美佑は彼女と別れそのうえで店を出てだった。一緒にいたこともあり健介と共にスーパーに行った、それぞれ注文したものは飲んだ。 
 その後で部屋に帰るとだった。
 隣の部屋からやけにいちゃいちゃしている声が聞こえてきた、美佑はその声を聞いて健介に言った。
「何があったのかしら」
「実は浮気してなくて」
 健介は姉にこう返した。
「誤解が解けて二人共よかったってなって」
「それでなのね」
「そういうことしてるんじゃないかな」
「そうなのね、まあ誤解が解けてよかったわね」
「そうだね、じゃあ俺達は俺達で」
「ゆっくりしましょう」
「晩飯までな、じゃあ晩飯は二人で」
 一緒にとだ、弟は言った。
「作ろうか」
「そうしましょう」
 二人でこうした話をして今はくつろいだ、隣から聞こえるいちゃいちゃからいやらしい風になった声は今はいいとした。そして時間になると姉弟で夕食を作って食べた。休日の午後の大学生の姉弟の話である。


いきなりビンタされ   完


                    2023・1・18 
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