いきなりビンタされ
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第一章
いきなりビンタされ
大学生の熊野美佑は同居している弟の健介に休日の昼こう言った、二人共実家から離れた同じ大学に通っているので親から二人暮らしの方が安全で家事も分担出来て家賃や生活費も安く済むからと言われてそうしている。二人共アルバイトをしているが今日はどちらもオフだった。
「スーパー行って来るわね」
「コンビニじゃないんだな」
「スーパーの方が安いからよ」
こう弟に言った、背は一五五程で所々はねた肩までの黒髪は青がかっている感じだ、ボーイッシュなスタイルで眉は細長くあどけない顔立ちである。
「それでよ」
「それでか」
「そうよ、だからあんたもね」
自分より一つ下で二十センチは高い弟に言うのだった。太い眉ときりっとした二重の目に前後を短くした黒髪ですらりとした身体つきだ。顔立ちは彫がありいささかラテンを思わせる。
「お買いものはね」
「スーパーの方がいいんだな」
「幾分か安く済むから」
だからだというのだ。
「そうした方がいいわよ」
「何でも節約か」
「大事なのはね」
こうした話をしてだった、美佑は部屋を出ようとした。服装は青のズボンにグレーのセーターといったラフなものだ。
それで扉を開けるとだ。
そこに茶色の長い髪の毛の切れ長の二重の目にホームベース型の顔に奇麗な唇と大きな胸を持つひらひらした赤いミニスカートの若い女性が立っていた。
その女性を美佑を見るとだった。
瞬時に顔を怒らせてだ、右手で彼女の左頬をひっぱたいてきた。
「あんたね、この泥棒猫!」
「えっ、何!?」
いきなり頬をひっぱたかれた美佑は叩かれた頬を押さえつつ言った。
「あなた誰?」
「とぼけるんじゃないわよ、頼朝君の彼女よ!」
「頼朝?」
「そうよ、彼から別れなさいよ!」
「頼朝って鎌倉幕府の?」
「何しらばっくれてるのよ!」
「どうしたの姉ちゃん」
騒ぎを聞きつけた弟が玄関に来た、そして。
二人を見てだ、姉に首を傾げさせて言った。
「姉ちゃんその人誰?」
「あんたも知らないの?」
「うん、誰?」
「あれっ、貴方誰?」
何と女性もだった。
健介を見て芽を瞬かせた、三人共訳がわからなかったが。
とりあえず美佑はこう言った。
「とりあえずお話しましょう、一体どういうことか」
「そうだよな、じゃあ近所の喫茶店でな」
健介は姉の話を聞いて言った。
「三人でな」
「お話しましょう」
「そうしような」
スーパーに行く話は今は消え去ってだった。
そのうえで三人で二人が暮らしているアパートの近くにある喫茶店に入ってだった、そうして二人は女性の話を聞いたが。
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