| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百七十五話 洋食を食べつつその十

「一体」
「そやな」 
 トウェインは牡蠣フライを食べながら彼の言葉に頷いた。
「そいつが悪意を持ってや」
「自分だけ反対したら話が潰れるからってな」
「反対したらな」
「それでどんなええ政も潰れるなら」
 それならというのだ。
「政はどうにもならんわ」
「そやな」
「全員賛成は理想や」 
 リーは言い切った。
「それが最善や、しかしな」
「現実はな」
 トウェインはどうかと述べた。
「そうしたもんや」
「理想は理想であってな」
「現実は現実やな」
「そや」
 まさにというのだ。
「それに過ぎへんでな」
「それでやな」
「全員賛成やないとあかんとか言ったら」
「話が進まんで」
「政はおかしくなる」
「そやな」
「むしろあれやな」
 メルヴィルはワインを飲みながら言った。
「リーダーがこうするってな」
「決めてやな」
「反対意見を抑えてな」 
 その様にしてというのだ。
「やる方がまだな」
「ええやろ」
「政はな、これは独裁者やが」
「まだ全員賛成よりや」
「遥かにましや」
「ほんまそやな」
「全員賛成やないとあかんとか言う奴がおったら」 
 リーは辛辣そのものの口調で言い切った、これまでこの世界で何かとやってきてそれでわかったことだからこそだ。
「相当な世間知らずや」
「おかしいレベルでな」
 中里も応えた。
「人として」
「その通りやな」
「ああ、そやから僕等はな」
「全員賛成はせん」
「多数決や」
 それで決めるというのだ。
「そうしてるしな」
「これが一番ええな」
「何と言ってもな」
「そやな、それと中には自分に都合の悪い決定にはあくまで従わん奴がおるな」
 施は難しい顔で述べた。
「認められんとか言うて」
「それで自分の好き勝手やるな」
「そんな奴もおるな」
 中里に対して話した。
「世の中には」
「政でもな」
「無法者やな」
「それで自分の好き勝手が通るならな」
「やりたい放題やるな」
「他人のことなんか考えへんで」
 そうしてというのだ。
「やるな」
「そんな奴もおるな」
「そんな奴は処罰する」
 羅は強い声で言った。
「法によってな」
「そうする為の法や」
 中里も断言した。
「無法者を罰するのがな」
「そやな」
「アウトローは一見恰好ええが」
 そこに一人自分を貫いて生きる様に思えそこにロマンを感じてだ、西部等でもそれを前面に出す作品も多い。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧