夢幻水滸伝
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第二百七十四話 崑崙その十
「あの娘がどんどん勢力を拡大させてな」
「勢力を豊かにさせてるのはやな」
「ほんまな」
何と言ってもというのだ。
「太宰あってや」
「その通りやな」
「太宰はそれだけのモンや」
「まさに蕭何やな」
「蕭何がおったから高祖は天下を取れた」
その為功績は第一とされた。
「そして綾乃ちゃんもや」
「太宰がおるから」
「芥川や中里もええが」
神星である彼等もというのだ。
「何と言ってもな」
「太宰やな」
「そや、太宰はほんまに欲しいわ」
「ほな綾乃ちゃん達も仲間にしたら」
「太宰は宰相になってもらおうな」
是非にと言うのだった。
こうした話もしつつ政を進めてだった。
移動要塞の建造を多額の予算と多くの人手それにこの世界の中国の最先端の技術を注ぎ込んで、であった。
進めそうしてだった。
遂に完成した、中国の星の者達はその報を受けてだった。
移動要塞に全員で入った、移動の術で瞬時にそうし。
その中を隅から隅まで見た、中華風の装飾が居住区にあり軍事用の場所は近代的なものであった。その中を見て回ってだ。
施は羅に確かな顔でこう言った。
「予想以上にな」
「ええ感じやな」
「建造中も見て回ってたが」
「完成するとな」
「尚更ええ様に見えるな」
「ああ、それでこれを用いてな」
羅は施に話した。
「これからはな」
「戦ってくな」
「そや」
まさにというのだ。
「これからはな」
「そうしてくな」
「そや、そしてな」
それでというのだ。
「この移動要塞の名前やが」
「それやな」
「何にするかやな」
今言うのはこのことだった。
「一体」
「名前がないとな」
「やっぱりしっくりいかんな」
「人も船も名前がある」
「そしてこの世界やと神具にもな」
「それやとや」
「そや、この移動要塞にもな」
施にまさにと話した。
「あった方がええやろ」
「というか絶対にないとな」
「それでや、どういった名前にするかや」
「それならでし」
郁が言ってきた。
「移動要塞になった浮島は崑崙山脈にあったでし」
「それでか」
施が応えた。
「そこから名前をつけるか」
「どうでしか」
「そやな、それやとな」
施は郁の提案を受けてだ、そのうえで羅に言った。
「崑崙山脈にあったなら」
「もう崑崙でな」
「決まりでええんちゃうか」
「そやな」
まさにとだ、羅は施の言葉に頷いて応えた。
「もう他にはな」
「ないな」
「これ以上の名前はないやろ」
羅はこうも言った。
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