X ーthe another storyー
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第三話 巫女その九
「俺は協力しない」
「ただ戦うだけね」
「同じ敵とな」
「それでいいわ、ではね」
「行って来る」
「ご一緒するわ」
二人はこう話してだった。
図書館を出た、するとそこに黒いスーツとネクタイそれにサングラスの者達がいた。神威はその彼等を見てだった。
即座に身構えた、そして嵐は。
日本刀を出した、神威はその彼女を見て言った。
「それがお前の武器か」
「そうよ、私はこれを用いてよ」
嵐は神威に答えて述べた。
「戦うわ」
「そして巫女の術だな」
「気付いていたのね」
「気配でわかる」
嵐を横目で見つつ述べた。
「それはな」
「そうなのね」
「ではだ」
「戦いましょう」
「これからな」
こう話してだった。
神威は宙を駆り空手の技で敵を倒していく、嵐もまた。
宙を舞い刀を振るって戦う、敵も攻撃をしてくるが二人の敵ではなく次々と倒されていった、そうしてだった。
最後の一体を倒した時だ、神威は言った。
「まただ、倒せばだ」
「姿を消したけれど」
「こいつ等は人間ではないな」
「式神ね、ただ」
「ただ。何だ」
「私が感じることだけれど」
嵐はこう前置きして神威に話した。
「この気配は地の龍ではないわ」
「違うのか」
「そう感じたわ。それに」
嵐は戦いを終えて刀を収めつつ神威に話した。
「今彼等も貴方を必要としているわ」
「俺をか」
「それならよ」
「俺を狙うことはか」
「するとは思えないわ」
「俺を必要としているからか」
「ええ、そうよ」
「何故かは聞かない、だがだ」
神威は嵐に言った。
「俺を狙う奴はいるか」
「ええ、誰かがね」
「そうだ、そしてだ」
それでと言うのだった。
「それは関りのある奴だな」
「そのことは間違いないわ」
嵐は神威の今の言葉にも答えた。
「だからこそよ」
「俺を狙ってきたな」
「その通りよ」
「だがお前の仲間ではないか」
「地の龍でもね」
「では誰だ」
神威は表情を変えずに問うた。
「一体」
「わからないわ、けれど戦いは終わって」
嵐はあらためて述べた。
「貴方が来ないというし」
「だからか」
「今日はこれで」
「帰るか」
「そうするわ、また会いましょう」
「何度会っても同じだ」
神威はこの時も表情を変えずに述べた。
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