ユーノに憑依しました
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捜索開始しました
早朝、何か俺の上に乗っかってる。
アリサかすずかか? だが二人とも俺の左右にいるし。
毛布を捲ってみると全裸のクアットロが居た。
『おい!』
ゴスっ!! 良い感じにチョップがクアットロの頭にめり込んだ。
『あう、おはようございます、マスター』
『おはようじゃねえよ』
『昨日はお楽しみでしたね?』
ゴスっ!! 二発目のチョップがヒットした。
『あう、暴力反対です、クアットロちゃん泣いちゃいます』
『何で此処に居るんだよ、不法侵入だぞ!』
『チンクちゃんと一緒に寝てたんですけど……マスターが恋しくて』
『我慢しろ』
『そんな、殺生です、お傍に置いてください』
『時と場所を考えろって言ってるんだ』
『時と場所と簡単エロ?』
『変な聞き取り方するな、耳まで腐ったか!!』
『クアットロちゃんは生まれたてです、どこも腐ってません、全部マスターが食べてください』
『ロッテから聞いた事は全て忘れろ! そして服を着ろ、出かけるぞ』
『朝からデートだなんて感激です、夜なんて待てません、さあ、愛し合いましょう!!』
ゴスっ!!
『人様の家のベッドで何やらかす気だ!!』
『それはナニを』
ゴスっ!!
『意味が分かってても分かって無くても二度と使うな!』
『マスター、クアットロちゃんお馬鹿になっちゃいます、もう止めて下さいぃ』
『さっさと着替えて買い出しに行くぞ』
『はいぃ』
クアットロと二人で食材を買い揃えて拠点に戻る。
高町家からなのはの魔力を感じたが、とりあえず放置しておく。
拠点ではロッテがソファーに寝ていた。
ベッドが来るの今日だっけ? 悪い事したなぁ。
食器から見て昨日は出前にしたのか。
冷蔵庫を見ても使えそうな食材は無いというか、水と酒ばっかじゃねえか。
リーゼアリアも本局勤めだからココも拠点のひとつに過ぎないんだろうけどさ……。
まあ良いや、一週間はこっちに残るし食材も消費できるだろ。
『マスター、お手伝いする事ありますか?』
『今日は食器を並べてくれるだけで良いよ』
『はいな』
買って来た食材で朝食を作り残りはラップして冷蔵庫に放り込む。
『んじゃ、食うか、いただきます』
『いただきます』
箸の使い方が分からないのか、クアットロがおろおろしている。
『箸の使い方はこうだ』
『――解りました』
早速器用に使い始めた、この辺りは流石と言うべきか。
「あー、お帰りユーノ」
ソファーからロッテが起きた。
「ただいま、ソファーに寝かせちまって悪かったな」
「いや、いいよコレくらい、酒臭い奴が一緒に寝たら迷惑だろ」
「俺は気にしないがチンク達は気にするかもな」
「まあ、ベッドが届いたらゆっくり寝かせて貰うよ」
「了解、朝食作ったが食うか?」
「今は食欲が無いから止めとく」
「そうか、冷蔵庫にも入れてあるから後で食べてくれ」
「あいあい、頂くよ、さて、シャワーでも浴びてすっきりするかね、一緒に入るかい?」
「遠慮しておく」
「そうかい、私は何時でも良いからね」
「はいはい」
「クアットロちゃんは今直ぐにでもッ」
ゴスっ!
「飯は大人しく食え」
「YES,マスター」
「おはようございます、マスター」
「ああ、おはよう」
目を擦りながら現れたのはチンクだ。
大きなシャツをパジャマ代わりにしてるせいで肩まで見えてる。
「服とか日用品も買いに行かないとな」
「いえ、バリアジャケットを着れば良いだけですから」
「何処かで聞いた台詞だな、とりあえず、朝飯を作ったから食え」
「はい、いただきます」
「箸使えるか?」
チンクに向けて箸を開いたり閉じたりして見せる。
「……覚えました、大丈夫です」
「姉妹揃って流石だな」
「いえ、コレくらいなら問題なく」
「おはよございます、マスター」
「おはよう、ドゥーエ、朝からその格好は刺激的だな、目のやり場に困る」
シャツ一枚でうろつくなよ。
「マスターにでしたら問題ありません、脱ぎましょうか?」
「止めてくれ、マジで」
「遠慮しなくても良いんですよ?」
後頭部と肩に胸を押し当ててくる。
「子供相手に変な事しないでくれ」
「都合の良い時だけ子供なんですね」
「腕に力を込めるな、さっさと飯を食え冷めたら不味くなる」
「はい、マスターの言うとおりに」
「クアットロちゃん負けませんわ!!」
キッ、とクアットロがドゥーエの胸を睨んでるが触れないで置こう。
朝食も終わり、昨日割り出したデータに目を通しておく。
「こっちがあたしが調べた海鳴で潜伏できそうな場所と、こっちがクアットロが絞った捜索図」
「結構絞られてるな、どう言う基準でやったんだ?」
「此処の通りと此処の通りはカメラが設置してあって逃走前まで映像を遡りましたが、それらしき人物も車両も無し、車両照会からも当たってみましたけど殆ど白でしたわ」
「……あと数日もすれば海鳴の人脈全部覚えられるんじゃないか?」
「それくらい余裕ですわ、もっと褒めてください、マスター」
クアットロのスペックを考えるといつまでも海鳴に置いとく訳には行かないな、レリックの捜索もあるし……どうするかな。
「……ところで、コイツを見てくれ、どう思う?」
以前サーチャーで記録したデータを表示する。
「コレは?」
「前回海鳴に来た時にテロ騒動をやらかした馬鹿どもだ」
「……あら~、あらあら、チンクちゃんコイツ覚えてます?」
「ああ、前に見た事がある、私達を馬鹿にしていた」
「マスター、今この方はどちらに?」
「仕事が出来ない程度に潰して、こっちの収容所にいる筈だが……魔法関係者なら甘かったな」
「あら? コイツ大通りでドライブなんかしてますね?」
「収容所の方は?」
「結構なお金が支払われて仮釈放されてますわ」
「テロで仮釈放ってどうなってるんだ?」
「お得意様は管理世界でも大きな会社やってるみたいですね、聖王教会にご報告かしら」
「ドゥーエ、高町家から護衛始めてくれ」
「わかりました」
「保育園どうするかな、あいつ等バラバラだから暫く休ませた方が良いか?」
「マスター、奴等の拠点判りましたわ」
「おー、早いな、どこだ?」
「このレジャーランドの系列でこの施設ですわ、サーチャーを向かわせましたけど対策されてます」
「真っ黒か」
「ええ、それと衛星軌道上からの過去データを漁ってみたらこんなものも」
数台のトラックに聖王教会のバッグとレリックが収められた箱が四つ。
「運び込んでるな」
「ガジェットの部品らしき物も確認できますわ、ドクターの研究を押さえてるみたい」
「……不味いな、現状で投入できる戦力が一人しか居ない」
「聖王教会からのお返事を待って作戦会議ですわね」
「あまり頼りたくはないんだがな」
「……あのマスター、クアットロちゃんにご褒美は貰えますか?」
こちらを見つめるクアットロに、全力で尻尾を振っている犬が見える。
「……何が欲しい?」
「マスターの熱い口づけを!!」
「……口づけは無理だがスキンシップはたっぷりしてやろう、着いて来い、では作戦会議はこれまで、聖王教会からの返事待ちだ」
「キャー、クアットロちゃんはこれから大人の階段昇っちゃいます~」
クアットロと手を繋いで部屋に入った後、後ろ手に鍵を閉める。
「あの、マスター……」
「ベッドに座ってくれ」
「……はい」
「こうしてゆっくり話すのは初めてだな」
「……はい」
「ご褒美だけどな、今はコレで勘弁してくれ」
クアットロを胸に抱きしめてそのままベッドに押し倒した。
「次の予定が入るまでずっとこうしてよう……嫌か?」
「……いえ、このままが良いです……ずっとこのまま……」
「……クアットロ?」
「……」
暫くすると寝息が聞こえてきた。
俺も寝るか、朝っぱらからクアットロに起こされたせいで微妙に眠いしな。
次の予定なんて夕方ぐらいまで来ない方が良い、グッスリ眠りたい。
魔法で毛布を取り出してクアットロと二人、夢の世界へ繰り出した。
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