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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその三十一

「愛人の人いたり酒乱だったり」
「そうした人で」
「本当に問題ばかり起こしていて」
「その人からなのね」
「いんねんがあったみたいですね」
「そうなのね」
「大叔母さんもしょっちゅう揉めごとに謝りに行って」
 その人が起こしたことにというのです。
「大変だったみたいでそれでお道にです」
「入られたの」
「何でこんなに揉めごとが多いのか」
「そうお考えになってなの」
「そうです、ひいお祖父ちゃんだけじゃなかったそうで」
「家族全体がなの」
「もう一人のお祖母ちゃんと年下の大叔母さんの息子さんもで」
 ここでもその祖母さんのお話をする時に凄く嫌そうなお顔になります、どうも新一君のその人への感情はかなり悪いです。
「それで揉めごとが絶えなくて」
「大変だったのね」
「謝りに行っていた年上の大叔母さんが考えて」
 それでというのです。
「お友達だった布教所の所長さんに相談しまして」
「仰木さんよね」
「あの人のお母さんとです」
「ああ、あの人と」
 もうかなりのご高齢ですがしっかりした人です。
「そうだったの」
「それでおみちに入りまして」
「新一君もなのね」
「今ここにいます」
「そうなのね」
「縁ですね、ろくでなしがいますと」
「そういう言葉は駄目よ」
 親戚の人達だけでなく誰でもです。
「いいわね」
「駄目ですか」
「そう、絶対にね」
 釘を刺しておきました。 
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