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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその二十九

「いいわね」
「駄目ですか」
「新一君が何かされた訳じゃないでしょ」
「はい、そうですけれどね」
「嫌いだからなのね」
「そうしようかと思いました」
「止めなさいね、というか自分がされたら嫌でしょ」
「あの人達がしたことでもですか」
「そう、それでもね」 
 このことを言っておきました。
「しないことよ」
「そうするべきですか」
「先輩達も反省してるでしょ?」
「そうみたいですね」
 このことは新一君もわかっているみたいでした、返事はそのことを見ていてわかっているという感じでした。
「流石に」
「言っておくけれど変わっても罪は消えないとか言わないでね」
 新一君の執念深さと嫌いになったら徹底的であることを考えて釘を刺しました。
「いいわね」
「そうした癖性分を捨てることですね」
「そう、特に長池先輩に対して」
「僕がされた訳じゃないですがね」
「先輩は本当にいい人だから」
 このことは私が保証します。
「わかってね」
「どうしても嫌いでもですか」
「そうよ、というか新一君の否定は本当に凄いわね」
 全否定にしてもです。
「嫌いな対象の何から何まで嫌うから」
「それも全力で、ですね」
「その癖性分をなおすことが大事ね」
 心から思いました。
「本当に」
「自分でもわかっています」
「それでも中々なのよね」
「そうなんですよね」
「癖性分をなおすことは難しいから」
 私にしてもです、その癇癪はわかっていますけれど。 
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