おっちょこちょいのかよちゃん
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251 英国の女王達
前書き
《前回》
ヴィクトリアおよびアルバートに苦戦するかよ子達の元に上市、髙田、ラクシュミー、サラディンやすみ子達組織「義元」が援軍に現れた。ラクシュミーの抗戦にかよ子の劣勢は塗り替えられ、ジャンヌや組織「義元」がアルバートを狙い、サラディンが和光の怪獣達を戦闘不能に陥らせていく。ラクシュミーとヴィクトリアの睨みあいの中、岡本が聖母マリアでヴィクトリアに加勢しようとしてまたも不利になりかけた時、毘沙門天の化身と名乗る輝虎が応援に駆け付けた!!
二人の女王がある地点へと向かう。彼女らもまた嘗て英国の女王として生きていた者だった。名はクイーン・ベスとブランデー・ナン。
「ブランデー・ナン。急ごう。杖の所有者達が苦戦しているはずだ」
「ああ、そうだね。私も勢いをつける為に一杯・・・」
ブランデー・ナンはブランデーを一瓶飲む。
「酔っ払わないでよ」
「はは、他の酒で酔ってもこれだけは酔わないよ」
そんな雑談をしながらも二人は真剣な思いで杖の奪還に手を貸そうとしていた。そして一人の男が合流してきた。
「貴方方、私も援護の手伝いをさせてもよいだろうか」
「お、お前はプロイセンの宰相ではないか・・・!!」
かよ子達の元に輝虎が加勢する。
「これは我々に勝利をもたらす神、毘沙門天。この神がお前らに勝利をもたらす」
「よし!」
毘沙門天が岡本のマリアと対峙した。
「な・・・、また余計な奴が・・・!!」
ヴィクトリアは杖を今度は毘沙門天に向けた。杖が光り出す。
「な、何をする気なの・・・!?」
「神の力を使ってお前らを倒してやる!!」
かよ子は驚かされる。
「杖って、神の力を写し取る事ができるの・・・!?」
大野達は組織「義元」達と協力してアルバート公を攻撃した。
「・・・やったのかブー!?」
「だが気配が消えてねえ!!」
大野は倒せたのか不審に思った。しかし、アルバートは身体が横たわっていたが、直ぐに立ち上がった。
「ジャンヌが神の声を聞く故に神を操る者・・・。だが、私も神を操れる事を覚えておくがよい!!」
アルバートの前に二体の神が現れた。それらはライオンとユニコーンの姿を模ったものだった。
「これが神だと!?」
「そうだ、私が生前紋章としてこのライオンとユニコーンを使用していた。ライオンはイングランドを、ユニコーンはスコットランドを象徴する聖獣。これを私が崇拝するカトリックと合わせて神として生成したのだ。掛かれ!」
ライオンとユニコーンが大野達の元へ猛進する。更には和光が出した映画の怪獣達が襲いかかる。
「ギエエエ〜、食べられる〜!!」
友蔵が泣き喚いた。すみ子は銃で結界をライオンとユニコーンを囲むように結界を張った。聖獣達の動きが封じられた。
「神をそんな風に具現させるとは・・・!!」
ジャンヌは秤を確認する。今の所双方の皿は水平となっていた。
「今は互角の状態だ!手を緩めるな!!」
「よし、反撃だ!」
「俺達があのライオンとユニコーンを片付けるぜ!」
「ああ、任せる!!」
山口達に聖獣達の始末を任せ、大野達はアルバートに再び攻めかかる。
「喰らえ!!」
エレーヌも念力でアルバートを金縛りにして援護した。
「な・・・、イングランド、そしてスコットランドの聖獣達よ!再起してくれ給え!」
ライオンとユニコーンはすみ子が出した結界の中で暴れ続ける。体当たりをした後、結界が破られた。
「あ・・・」
すみ子は絶望に陥りながらももう一度、銃で二体の動きを制しようとした。川村のバズーカ、山口の矢、そしてヤス太郎のパチンコで攻撃する。そしてアルバートの方は大野達が攻めにかかる。だが、剣を振られた上にライオンとユニコーンの守護の力が働いている為かダメージを与えられない。
「大天使カタリナ!」
ジャンヌはカタリナを召喚した。
「カタリナ、この者達の守護を頼む!」
「はい、車輪よ、この悪しき化身を轢き給え」
車輪がライオンとユニコーンの真上に現れ、潰そうとした。だが、車輪を避けられる。車輪は執拗に二匹を追うも意味なく、山口達へ向けて突進した。
「小僧達を噛み殺せ!!」
「く、来るでやんす!!」
ヤス太郎はパチンコで眠り玉を出して防御する。しかし、全く効かなかった。
「俺がやってやる!!」
川村がバズーカで穴を開けようと4連射で迎撃する。だが、素早くかわされた。
「俺が守りに入るよ!」
関根が山口達の前へ飛び出し、忠治の刀を振るった。黒い三日月形の刃が飛び、二匹の動きを止めた。だが今度は和光の怪獣達が来る。
「アルバートの聖獣を封じてもこれでは無駄だな!」
「そうはさせぬ!」
利通が碁石を出して手の端に置く。
「スベリ!」
和光の怪獣達が大野達から遠ざかった。
「俺の怪獣達が纏めて・・・!!」
だが怪獣達も怯まない。その中の一体・モスラが羽をバタつかせた。
「あ、あれは確か俺達を毒で苦しめる攻撃だ!」
「なら!」
すみ子が真上に銃を放つ。鋼鉄の壁が幾つも出現し、皆を毒から防ぐ。
(でもここからどう攻める・・・!?)
「それでは周りが見えんだろ!神よ、この壁を払い除けよ!!」
「させません!!」
エレーヌが金縛りを強めた。だが、ライオンが吠えると彼女の術も強制解除された。
「な・・・」
(まずい、止められない・・・!!)
エレーヌも絶望した。だが、急にライオンもユニコーンも動きが止まった。そしてすみ子達を襲おうとするも跳ね返される。
「これは一体・・・!?」
「む・・・、秤が我々の方に優勢と示している!!」
ジャンヌは秤を確認した。自分達の皿が重く傾いていた。
「遅くなって申し訳ない!」
「我々も手伝おう!」
二人の女性がいた。
「アルバート公、お前らの攻撃はこのクイーン・ベスが止めさせた。イングランド正教会の力でこの者達の力で苦しみから解放させる!!」
ライオンとユニコーンは消滅した。だが和光の怪獣が残っている。
「こいつらは私が片付けよう!」
もう一人の女性が動き出した。瓶を出す。
「この悪しき者を浄化するブランデーを喰らうがよい!」
女性は瓶の蓋を取り、ばら撒いた。中身はブランデーだったが、煙と化する。和光が出した怪獣も消滅した。
「ま、まだだ!」
和光は再び小型ビデオカメラで怪獣達の召喚を試みた。しかし、何も出てこなかった。
「な、何故だ、何故出てこない!?」
「このブランデー・ナンのブランデーに掛かった幻獣は全て消滅される。お前の能力も暫くは使えんぞ!」
和光はもう一度怪獣達を出そうと試みる。しかし、何も出す事が出来なかった。
「ちい、クイーン・ベスにブランデー・ナン!剣の奪還に手を貸した者共め・・・!」
「アルバート、同じ女王でもお前の所の女王などに負けぬぞ!」
「皆、反撃のチャンスだよ!」
「よし、総攻撃だ!」
大野達はアルバートに迫る。
ヴィクトリアは杖を輝虎が召喚した毘沙門天に向けた。杖が光に包まれる。
「その神を使って杖の能力として加える!そして岡本公三が出したマリアの一部としよう!」
そしてマリアはアルバートの方を見た。
(クイーン・ベスにブランデー・ナン!!あの者達も来てたのね・・・!!)
杖からもう一人の毘沙門天が現れた。
「な、我が毘沙門天がこんな女に複製されると・・・!?」
輝虎は驚かされる。そしてサラディンがヴィクトリアへ攻撃を始める。
「今度はヴィクトリアへ聖戦だ!!」
サラディンがイスラムの聖力を利用して剣を振るう。光が杖で出された毘沙門天を襲った。
「無駄よ!神の力が加わればもはや無敵・・・」
「そうかな?」
別の男がまた一人、その場に来たる。
「鉄血の宰相か、今更来てもお前に出番はないわ!」
「そうかもしれん。だが、その杖がお前の言う事を聞き続けるかな?」
「何を吐かす!」
その男はかよ子に目を向けた。
「お嬢さんが杖の所有者か。私はオットー。君達の味方をしに来た。杖を持つ者がどちらに相応しいか共同体の術を掛けよう」
「共同体の術・・・?」
かよ子はオットーの言っている事が理解できなかった。
「その最強の杖よ、どちら者につくか相応しいか、審判せよ!」
オットーが叫んだ。
「もしあの杖がヴィクトリアに相応しければあの神を力を写し取る能力が持続される。そうでなければ杖はヴィクトリアの言う事を聞かなくなる筈だ!」
「それがオットーさんの術・・・!?」
かよ子はそれで杖が戻るか、オットーを信頼しようと思った。
後書き
次回は・・・
「杖が選ぶ者」
オットーの術が発動された。その術でヴィクトリア女帝の手から異世界最上位の杖が離れて宙に浮かぶ。杖は正しき所有者として選ぶのは山田かよ子か、それともヴィクトリア女帝か?そしてアルバートと大野達の戦いも大詰めへ・・・!!
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